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新型肺炎、SARS流行時に学ぶ次の危険シナリオ 中国では野生動物との距離感が余りにも近い

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野生動物たちの間を歩くと、もわっとした生暖かい空気が漂い、なんの動物の毛なのか定かでないものが舞っている。そしてなにより獣臭さがマスク越しにも鼻をつく。お世辞にも衛生的とは言い難い。

しかも、家族経営のこの商店の奥と2階が店主一家の居住スペースになっていた。あまりにも野生動物とヒトとの距離が近く、密接して生活している。これならば、野生動物から住人が病気をもらっても致し方ない、と思えたほどだ。

SARSの場合、ここから広州市に肺炎が広がっていく。

それが香港や世界にも広がっていった決定的な原因は、ホテルだった。

広州市で肺炎の治療にあたった医師が、結婚式に出席するため香港に出向き、九龍にある「メトロポールホテル(京華国際酒店)」に宿泊。同時期に同じフロアに宿泊していた宿泊客に感染して、香港、カナダ、ベトナム、シンガポールにまで拡散していったのだ。その後の香港の混乱ぶりは言うまでもない。

私が同ホテルに宿泊した当時は、医師の宿泊していたフロアと上下階を封鎖して営業を続けていた。その医師と同じタイプの部屋は、ツインタイプで窓際に小さな丸テーブルとソファーが2つ並ぶシンプルなものだった。夜になると、1階の小さなバーラウンジでフィリピン女性のボーカルの生演奏が響いていた。

ホテルを通じた感染拡大の恐れもある

1月24日から1月30日まで中国は春節の休みに入り、日本にも多くの中国人が観光に訪れている。SARSが拡散した当時の状況をみると、日本国内でも感染拡大の恐れがあるのは、まずホテルとも言える。

厚生労働省検疫所は武漢市などからの帰国・入国者に対して咳や発熱などの症状がある場合、検疫官に自己申告するよう呼びかけてはいる。だが、空港などで行われる、サーモグラフィーを用いた水際対策も、平均7日前後とみられる潜伏期間であれば熱もなく素通りできてしまう。

日本に訪れた中国人観光客がホテルの客室で発症するとも限らない。無力と言ってもいいだろう。

さらには、SARSでも存在したように「スーパースプレッダー(超感染拡大者)」と呼ばれる、1人で多人数に感染を拡げる特殊な感染者が出現する恐れもある。スーパースプレッダーが航空機に乗り込めば、座席周辺の乗客や乗員にも感染が広まっていく。航空機ほど気密性はなくとも、たとえば日本の新幹線に乗車して長時間移動すれば、それも感染拡大につながるはずだ。

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