「不登校の子ども」を家族でケアする5つの方法 「冬季うつ」は元気な大人でも起こる症状だ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

彩音さんには、次にいらっしゃるときにはぜひ和也さんも一緒に遊びに来てくださいと伝えつつ、まずその「具合悪い」がどういうことなのか詳しく聞いてみました。

和也さんに幼少期から便秘がないか、乗り物酔いをしやすくないか、枕が変わると寝れないような神経が繊細なタイプではないか、夜寝つきが悪くないか、朝起きるのが苦手かどうか、外食や給食が苦手ではないか――。いろいろ細かい日常生活の癖を尋ねると、ほぼ質問の項目が当てはまり、生まれてすぐのころから便秘がちだったり、少し潔癖症なところがあるとのことでした。

幼少期から便秘や頭痛があるような自律神経が乱れやすいタイプの方は、体調がコロコロ変化するので、規則正しい生活が苦しくなってしまったり、まだ認知能力が未発達の年齢では、体調の悪さをうまく説明できずに、「不機嫌」となって感情に働きかけるものです。しかもこの「冬」の季節は日照時間も短くなり、カラダも冷えやすくなるので精神面や体調にも響いてきます。いわゆる、冬季うつの症状です。

こういった体調不良というのは、経験がないとなかなか理解しがたいのものです。

ただこの冬の不登校は何も子どもだけの話ではありません。大人でもこの季節は体調不良を訴える方が多いのです。

・電車に乗ると動悸と発汗がひどい
・死ぬのではないかと焦燥感に駆られる
・夜になると不安になり、寝れない
・仕事中ずっと頭痛する
・お腹の調子がずっと悪い
・やる気が起きない
・イライラと気分の落ち込みがひどい
・カラダが芯から冷える

大人になると、精神的な頑張りがきくようになるので「子どもの不登校」のように行動としてはわかりにくいですが、元気そうにしている人ほど、上記のようなうつ症状やパニック症状を訴える方は多いのです。どんなに丈夫な人や大人だって、全員予備軍であることは心に留めておく必要があります。「人生3度うつ期がある」と昔から言われていますので、決して他人事ではないのです。

<大人にも通じる見守りケア法>

1)不安を取り除く

いちばん味方でいなければいけない親が怒ったりわめいたり、無理やり学校に連れていくような行動はかえって逆効果です。

子ども自身、なぜ体調が悪いのか、いじめなどのこれといった環境要因がないのになぜ学校へ行けない自分がいるのかロジスティックに分析して理解できているわけではありません。「なんだか自分でもわからないけど具合が悪くて学校にいけない」という不安な状態なのです。

そんなときは、「そうかそうか。とりあえず朝はちゃんと起きれたんだね。よしよし」と不安を取り除く一言をかけることです。人は成功学習の強化で自信をつけていくものです。不安や挫折したと感じているときほど、このささいな一言が力になるものです。

つまり、家族などの周りの人間は「見守る力をつける」ということが大切になってきます。

次ページ逃げ道を作ってあげることも大切
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事