「太陽光サーチャージ」始動、総合的な視野を持った環境・エネルギー政策を


再生可能エネ普及の阻害要因

だが、この省令が見直され、事業用を含む再生可能エネルギー全般に敷衍(ふえん)されるとしても、まだ問題は残る。送電線への電力流入による電圧の安定性の問題はその一つだ。太陽光、風力発電は、日照量や風速など天候に左右されるため、発電量が不安定で、一定量以上は増やしたくないと電力会社側は言う。日本の電力の品質は先進諸国の中でも非常に高い水準にあるのは確かだ。

とはいえ、ドイツやイギリスなど欧州主要国では、家庭用を含む再生可能エネルギーによる発電量は、すでに総需要量の10%を超え、今後は18~20%を目標とする。一方、日本の1次エネルギーに占める再生可能エネルギーは、バイオマスを含めても、わずか数%にも満たない。心配をするのははるか先の話だ。

最大の問題は、環境をベースとした総合的な電力政策の方向性が定まっていないことだ。

大規模発電所、広域送電という現在の仕組みも見直す時期に来ている。電源の分散化は、大都市のリスクヘッジとして重要な課題だ。06年8月、荒川の高圧送電線切断事故で、首都圏の広範囲で電力供給が長時間停止したのは記憶に新しい。

一方、石炭・石油はもちろんLNG(天然ガス)も有限な資源である点で同様だ。安定的な電力供給を担うはずの原発が地震など何かあればすぐに運転を停止しなければならない中で、そのたびに火力の焚(た)き増しで需要に対応することの繰り返しは、温暖化ガス削減という大原則に反する。

今後の政策に望まれるのは、「再生可能エネルギー受け入れ」を前提とした素地を作ることだ。

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