鳩山首相が犯した2つの“経済失政”−−リチャード・カッツ

鳩山首相が犯した2つの“経済失政”−−リチャード・カッツ

鳩山政権は経済政策の失態を二つ犯してしまった。民主党が独自の政策を行うためには、来年の参議院選挙で単独過半数を獲得する必要があるが、その目標を達成できない可能性が出てきたのだ。

最初の失態は、財政政策で不必要なまでに揺れ動いていることだ。

経済回復の足取りが予想以上に鈍いため、鳩山首相は当初想定していた以上に財政刺激策を講じざるをえなくなっている。そのため鳩山首相は、歳出凍結、財政赤字削減という選挙公約を覆そうとしている。

その決断自体は悪いことではない。長期的には慢性的な財政赤字を解消しなければならないことは当然であるが、1997年の消費税引き上げで明らかになったように、正しい政策を間違ったタイミングで実施すれば、災いを招くことになる。

問題は、鳩山内閣の閣僚が、それぞれ矛盾するメッセージを送っていることだ。加えて、財政赤字を抑制するために、子ども手当、高校授業料無償化、暫定税率廃止といった、経済の内需主導のために不可欠な新政策の予算を削減しようとしている。

鳩山首相は、選挙公約を守ろうと空しい努力を行ってきた。政権発足後の数週間、補正予算を3兆円削減することに注力した。100を超す無駄なプロジェクトを廃止する努力は賞賛されるべきである。問題は、首相がプロジェクト廃止に伴う歳出の減少を補う計画を持っていなかったことだ。この対応の遅れによって景気が二番底をつけるリスクが高まっている。日本経済新聞の調査によれば、経営者の38%が「景気刺激策の効果が薄れる」ため来年度上半期に景気が落ち込むリスクが“非常に高い”か“やや高い”と答えている。

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