JR東日本の社長が語る「2020年代の鉄道」の姿 自動運転やチケットレス、駅ナカ海外展開

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――山手線では、高輪ゲートウェイ駅がいよいよ開業します。

3月14日に開業する山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」(撮影:大澤誠)

目指したのは、新しい駅の形を作るということ。建築家の隈研吾先生に設計していただき、新しい街の入り口となる、開放感あふれる駅になった。

駅舎だけでなく、駅の中も新しい。駅サービスを行うロボットを導入するなど、新しいことを始める場所としていく。

――現地にいた社員さんに駅を見た印象を尋ねたら、「CGの完成予想図どおりのものができました」と言っていました。

違ったら困るよ(笑)。

未来を感じられる駅に

――高輪ゲートウェイを駅の上に高層の商業施設があるような駅ビルにしようとは考えなかったのですか。

「高輪ゲートウェイ」の駅名標(撮影:大澤誠)

われわれが発展させてきた駅ビルは一つのモデルだとは思うが、街として開発しているので、今までの駅ビルとは違った形になる。消費のあり方やライフスタイルも以前とは変わっており、単にものを売るだけではみなさまにお越しいただけない。商業施設だけでなく、ホテル、文化創造施設、住宅などいろいろなものが一体となって感じられるようにしたい。

――カタカナの駅名が、賛否両論となりました。

さまざまなご意見があることは謙虚に受け止めている。駅がオープンしたら日本の未来を感じていただけるような工夫を行う。その4年後には街も完成する。だんだん姿が見えてくることによって、みなさんに親しまれていくようになると思うし、そうなるような街づくりをしていきたい。

――高輪ゲートウェイに続く、大型の不動産開発は?

品川―田町間のように13ヘクタールもあるような用地はほかにはない。しかし、渋谷ではまだ工事が続いている。これから新宿でも具体的に始まり、小田急電鉄さんや京王電鉄さんといっしょに取り組んでいく。池袋でも今後大がかりな開発が始まっていくだろう。今後は駅を中心とした大きな開発が続くことになる。

本記事は週刊東洋経済12月28-1月4日号に掲載した記事「2020大予測 鉄道1 Interview 駅ナカビジネスが“輸出事業”へ」を加筆・再構成して掲載しています。
大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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