J:COMが徹底的な「地域密着」で得た独自の地位

ラストワンマイルを握る者ならではの強み

ジュピターテレコム(J:COM)の知られざる姿とは?(撮影:梅谷 秀司)

ケーブルテレビ界最大手、ジュピターテレコム(J:COM)。アメリカ型MSOのビジネスモデルを背景に、都市型ケーブルテレビのトレンドを創り出してきた同社は今、どのような未来図を描こうとしているのだろうか。

国内最大のケーブルテレビMSO

1995年に設立されたジュピターテレコム(J:COM)は、国内最大のMSO(Multiple System Operator、ケーブルテレビ統括運営会社)として知られる。全国各地に存在するケーブルテレビ局は、地方自治体や地元企業などの出資による小規模経営の会社が多いなかで、J:COMはその傘下に11社・71局のケーブルテレビ局を擁し、従業員数は1万7202名(2019年3月末現在)という規模を誇る。

現在の日本の総世帯数は5801万世帯(総務省調べ、18年1月現在)、そのうちケーブルテレビのホームパス(ネットワーク敷設済み)世帯は5118万世帯(日本ケーブルテレビ連盟調べ)に上るが、そのうちJ:COMのホームパスは2157万世帯、コミュニティチャンネルを視聴可能な世帯が1381万世帯、そしてサービス加入世帯は547万世帯(18年12月末現在、J:COM調べ)となっている。

『GALAC』2020年2月号の特集は「ケーブルテレビ新時代」。本記事は同特集からの転載です(上の雑誌表紙画像をクリックするとブックウォーカーのページにジャンプします)

ケーブルテレビ業界の総事業売り上げが1兆2000億円規模といわれるなかで、J:COMの営業収益は7565億円(18年度)と、その6割以上を占めている。

住友商事の情報産業企画開発室(当時)が主導するニューメディア事業として産声をあげたJ:COMは、アメリカ型MSOのビジネスモデルを日本で展開することを企図したものだった。地上波の難視聴対策からスタートした日本のケーブルテレビの小規模で非効率的な局運営を、統括運営会社のもとに集約してスケールメリットを生むことで、インフラや施設、ソフト調達などのコストを下げ、効率的な経営を可能にするのがMSOビジネス最大の狙いだった。

初年度は東京の杉並、練馬、府中、小金井の4局からスタートし、その後は積極的なM&Aによりグループ規模を拡大してきた。同時に、テレビ(地上波、BS、CSの再送信)、インターネット、電話の「トリプルプレイサービス」を提供することで、都市型ケーブルテレビのビジネスモデルを確立してきたと言える。

「従来のトリプルプレイサービスに加えて、MVNO(ケーブルスマホ)、電力、ガス、そしてホームIoTなど、常に業界をリードする商品力と営業力を強みとしてきた歴史があります」(ジュピターテレコムケーブルTV事業部門執行役員副部門長・高橋邦昌氏)

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