箱根駅伝、選手が「厚底」靴をあえて選ぶ5大理由

「ユニフォームと靴の違い」に出る選手の信念

実は今年は、33年間連続出場していた「山梨学院大学」が予選会で落ちてしまったんです。ほとんどの選手が「ヴェイパー以外」を履いていたから……とまで言えるかどうかはわかりませんが、今後は、常連のシード校でも予選落ちして、新興大学がどんどん出てくるという激しい時代に突入するかもしれません。

箱根駅伝は、新興大学による下克上の時代へ

実は、箱根駅伝に出場するかしないかで、受験の倍率も変わるんです。私立大学の受験願書の受け付け開始は1月4日。その直前に、視聴率30%もの場所で大学をアピールできる絶好の場でもあるわけです。ある大学は、箱根で盛り上がった年に、受験料収入が前年度比で億単位の差が出るほどのインパクトがあったと聞いています。

事実、青山学院大学なんかは、いま一気に偏差値が上がっていますからね。少子化の現代、箱根駅伝は「重要な大学のPRの場」ですから今後、大学はますます力を入れてくるでしょう。

西本 武司(にしもと たけし)/「EKIDEN News」主宰。吉本興業、ほぼ日刊イトイ新聞を経て、コミュニティーFM「渋谷のラジオ」制作部長。"公園橋博士"の名前で駅伝をどこよりも細かく追っかけるWEBメディア「EKIDEN News」を主宰するほか、「TOKYO FREE 10」「オトナのタイムトライアル」など新しいレースを企画する。ランニングを始めて9年。走ること、見ることと多角的にマラソンレースを楽しむ。2017年ニューヨークシティマラソンにて(写真:EKIDEN News)

例えば、2024年は箱根駅伝100回記念大会になりますが、その年に「立教大学」が開学150周年に当たります。そこで、記念事業として今後4年間かけて箱根駅伝に出るという計画を打ち立て、コーチ、監督を呼び寄せ、グラウンドも寮も作って、選手のリクルーティングにも取り組んでいます。

そして、群馬に2018年4月開学した「育英大学」。箱根強化に乗り出してまだ2年目ですが、もう関東学生連合チームに1人送り出しました。

箱根駅伝は、1920年から100年間続くものですが、「日本にしかないレース」です。リレーはあるけど、大学生が10人で山道を20km強ずつ、しかも2日間かけて走るというものは世界に類を見ない。国際陸連が認定した「陸上遺産」でもあるんですよ。

中国にも台湾にも、「駅女」と呼ばれる箱根駅伝の大ファンの女性たちがいます。とくに台湾では地上波でNHKが映ることもあって、ものすごい人気です。僕もトークショーに呼ばれたりしますが、女の子が青学のTシャツを着ていたりしますよ。

海外の「駅女」たちは、もともとジャニーズのファンだったようですが、「嵐」のバラエティー番組に青学の選手が出演したことで、一気に火がついたようです。すごいことですよね。

「箱根から世界へ」と言われますが、世界に箱根駅伝を広めたほうがはるかに面白いことが起きるでしょう。箱根駅伝と靴の進化に、今後も目が離せません。

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