「寅さん50年」映画に登場した鉄道名場面の数々 過去全作品に登場した鉄道を写真で紹介

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第1作「男はつらいよ」(1969年公開)では寅さんの地元、柴又を通る京成金町線の3300形や3050形が登場。第6作「純情篇」ではこの電車が柴又駅での寅さんとさくらの “赤いマフラーの別れ”の名場面を演出している。

鉄道に造詣の深い山田監督は、写真のC61形20号機が復活する際にドキュメンタリー作品を撮ったほど。「男はつらいよ」にも蒸気機関車は数多く登場する(筆者撮影)

初期の作品はちょうど全国で蒸気機関車が最後の活躍を見せていた時期で、D51形蒸気機関車が多く登場した。

シリーズ最初のSL登場は第2作「続・男はつらいよ」(1969年)の冒頭で、早朝の関西本線柘植(つげ)駅構内を、D51が白い煙をたなびかせて入れ換え作業をしている場面である。第3作「フーテンの寅」(1970年)では、木曽路を駆け抜けるD51の疾走シーンがある。

第5作はSLが大活躍

圧巻は第5作「望郷篇」(1970年)。寅さんが世話になった札幌の親分が危篤となり、息子に会いたいとの願いを叶えるため、小樽築港機関区へ機関助士の息子を説得に訪れるところから始まる。

息子の機関助士は説得を受け入れずD51に乗務する。ここから寅さんは機関助士が乗り込んだD51を追ってタクシーで小沢まで追いかける。D51の峠越えと、それを追う寅さんのデッドヒート。シリーズ屈指の鉄道名シーンが展開する。機関車の運転台にはキャメラマンと山田監督が自ら乗り込んで撮影した。

のちに山田監督は、この第5作の持つ「家族とは?」というテーマとともに、SLが大活躍した本編を「シリーズ屈指の出来」と自ら評価した。

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