「寅さん50年」映画に登場した鉄道名場面の数々 過去全作品に登場した鉄道を写真で紹介

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寅さんの鉄道の旅は、シリーズ作品のほとんどに登場する。

このほかに主なところでは、第7作「奮闘篇」で寅次郎を訪ねて五能線を旅するさくら、第15作「寅次郎相合い傘」(1975年)では青森―函館―長万部―小樽と列車を乗り継ぐ旅、第18作「寅次郎純情詩集」(1976年)では上田交通別所線の丸窓電車、第39作「寅次郎物語」(1987年)では近鉄特急、第41作「寅次郎心の旅路」では今はなき栗原電鉄の電車が登場。第42作以降の満男と泉の恋物語では二人の仲を新幹線0系が取り持つ。

そして第48作「寅次郎紅の花」(1995年)。寅さんの最後の鉄道の旅は、因美線美作滝尾駅から姫新線中国勝山駅で幕を閉じる。

過去の旅路がよみがえる

多くの寅さんファンに支えられ、ついに、第1作の公開から50年が経過した今日、半世紀にわたる寅次郎の旅路を振り返りつつ、完成したのがシリーズ50作目の「お帰り 寅さん」である。

シリーズ50作目「男はつらいよ お帰り 寅さん」のポスター(©2019松竹株式会社)

本作品は、フィルム愛用だった山田監督初のデジタル4Kによる撮影となった。寅さんの過去の旅路を思い出すときの作品を4Kデジタルリマスターに統一する必要があるからだ。過去の35mmオリジナルネガフィルムの色調補正、フィルムキズ、汚れなどを1コマずつ4Kでデジタル修復するもので、その作業はシリーズ全作品に及んだ。

劇場公開当時の状態に復元したデジタル修復版と現在の4Kデジタル映像とのつながりは、試写を見た感じではまったく新作同様のクリアな映像で、まさしく寅さんは健在、という気持ちにさせてくれた。ファンはぜひ、映画館に帰ってきた寅さんに会いに行ってほしいと思う。映画館のワイドスクリーンで観客と喜怒哀楽を共有してこそ、寅さん映画の醍醐味が楽しめるのだから。

南 正時 鉄道写真家

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みなみ・まさとき / Masatoki Minami

1946年福井県生まれ。アニメーターの大塚康生氏の影響を受けて、蒸気機関車の撮影に魅了され、鉄道を撮り続ける。71年に独立。新聞や鉄道・旅行雑誌にて撮影・執筆を行う。

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