会社の「定年後の生き方研修」が役に立たない訳

60歳以降の再雇用もこれからはラクじゃない

アラフィフの人は「60歳以降もいまの会社が少しは面倒を見てくれる」と考えていないだろうか。それは甘い考えだ(写真:Kazpon/PIXTA)

「みんなが同じことをしている」といわれると、何となく気になるものです。2019年6月以降メディアで話題になった「老後資金2000万円足りない」問題は、その典型でしょう。そこで語られた老後の暮らしは特定グループの平均値であるにもかかわらず、あたかも「みんな」が同じ問題を抱えているかのように錯覚され、大騒ぎになりました。

それでも、筆者のお客様の中には、「2000万円問題」をきっかけにして自らのライフプランを見直し、改めて資金計画に取り組んだ人がいました。何事も、平均値を鵜呑みにせず、そのデータをどう自分自身に落とし込むかが大切なのです。

会社が開催する「ライフプランセミナー」も同じです。筆者は、ファイナンシャルプランナーとして、企業のライフプランセミナーに講師として招かれることがありますが、セミナーは「会社の意図」を反映して行われるものなので、ここでもやはり「みんながどうしているか」ではなく「自分事」として適切なアクションを起こすことが大切なのです。そうしないと人生を左右されるかもしれない、といっても過言ではないと感じています。

ひと昔前は「たそがれ研修」だったが…

ライフプランセミナーを開催する会社の意図というのは、時代背景とともに変わります。したがって、社員に伝えるメッセージも変わります。変わらないのは、そのメッセージがすべての社員に当てはまるわけではない、ということです。

かつてのライフプランセミナーといえば、定年間際の社員向けの、いわゆる「たそがれ研修」が主流でした。もちろん、セミナーにそんな名称がついてはいませんが、定年後の社員が燃え尽きて無気力になったり、職場という居場所を失って家庭で「濡れ落ち葉」になったりしないようにする内容でした。

実際、筆者もセミナーの講師を依頼されるときに「何とか今後の人生を楽しく暮らすことができるように、モチベーションアップを促してください」といった要望を受けることが多くありました。

当時、セミナーの冒頭でよく使われていたのが「キョウヨウとキョウイクが大事ですよ」というフレーズです。ここでいうキョウヨウは、教養ではなく、「今日の用事」。何かしら用事をつくりましょう、ということです。キョウイクとは「今日行くところ」。毎日家でゴロゴロしていてはダメですよ、という意味です。

次ページ昔は定年後、頑張りすぎないほうがよかった
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
  • 就職四季報プラスワン
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 御社のオタクを紹介してください
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「氷河期」を救え!<br>どこまで進む?就労支援

バブル崩壊後の不況期に学校を卒業し、就職難に苦しんできた「氷河期」世代。彼らをめぐる状況が変わり始めています。政府は650億円を投じ就労支援を開始、中小企業の正社員採用も広がってきました。この好機を生かす秘訣を探ります。