ノバルティスに続き、武田薬品でも不正が発覚 第三者機関による調査の結果が焦点に
一方、ノバルティスのディオバンでの問題は以下の通りだ。
① ノバルティスの社員(当時)が身分を隠して濃淡はあれ4大学の研究に関与し、同社は各研究を資金的に援助しており、利益相反が疑われる
② 何者かによりデータが改ざんされ、一部研究では心血管系障害の発生リスクが従来薬アムロピジンに比べ劇的に低下するという結果が得られた
③ ノバルティスは結果として誤った効果を示す研究結果を宣伝材料に盛り込んで年間1000億円以上、ディオバンを売った
4 大学のうち慈恵医大は「ノバルティス社員以外にデータを操作できる人間がいなかった」として改ざん者は当該社員とほぼ断定しているが、現在改ざん者は特定 されていない。また、薬事法違反についてはノバルティスの誰が研究結果を用いた販促を指示したかもわかっていない(被疑者不詳で告発)。
記者説明会で語ったこと
製薬メーカーが資金援助する大学での医師主導臨床研究という舞台が同じため、①②③の問題点がよく似た構造になっていることがわかるだろう。
3月3日、これらの指摘に対し武田は、予定されていたメディア懇親会を中止、急きょ長谷川閑史社長が出席する記者説明会を開催した。
①の利益相反について武田は、データベースへの関与など研究に重大な影響を与えるようなものではなかったことから社員がかかわったことが利益相反に当たるとは考えていない。また、資金供与についても利益相反ガイドラインに抵触しないように処理しているので、これも該当しないとする。
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