「チャンギ空港」で27時間遊び尽くしてみた 「世界一の空港」の実力を思い知った

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シンガポールのチャンギ空港にあるHSBCレイン・ボルテックス(写真:Lauryn Ishak/The New York Times)

巨大なガラスのドームの内部には、森の中を流れる高さ約40メートルの滝があり、曲がりくねった道を進むとヤシやイチジクの木、ラン、アンスリウムが植えられている。そして1台のロボットが道を曲がってこちらにやってきた。

身長150センチほどのそのロボットはボトルに入った水を積んでいて、行き交う人々に軽快な声でそれを勧めている。私は喜んで水をもらった。でもロボットはおしゃべりをするために立ち止まってはくれず、私もその場を去った。次に向かうは地上約25メートルの「スカイネット」で空中散歩だ。

私の「空港バケーション」はこうして始まった。

空港なのに未来的なドーム型の娯楽施設

空港で過ごす休暇と聞いて読者がたじろぐ前に説明しよう。ここは普通の空港ではない。シンガポールのチャンギ空港だ。

テーマパークでもあり、未来的なドーム型の娯楽施設ともいえる。空港は通常、旅の中間地点だが、チャンギ空港は利用者に滞在してもらおうという珍しい空港だ。

確かにここはとても魅力的で、東南アジアへの旅行を計画していた私は、チャンギ空港で乗り継ぎをするだけでなく、1晩滞在しようと夫に提案した。27時間かけて魅力的なアトラクションを楽しむのだ。

屋上の「サンフラワーガーデン」(写真:Lauryn Ishak/The New York Times)

屋上の「サンフラワーガーデン」でのんびりしてもいいし、熱帯植物の間を舞うチョウを見てもいい。鏡の迷路「ミラーメイズ」で迷子になったり、チューブ型の滑り台で遊んだり、屋外の散歩道を散策したり――。

飛行機の時間を気にする必要はない。チャンギ空港のウェブサイトは、すべてがそろったリゾート施設のパンフレットのようだ。無料で24時間映画を鑑賞できる劇場やレトロなゲーム機、天窓から落下する滝を照らす光と音のショーもある。

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