トヨタ「RAV4」が並み居る競合車に圧勝した理由 日本カー・オブ・ザ・イヤー19-20選出の裏側

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昨年は完成検査不正を理由に辞退したメーカーがあったことから、“本命不在”と言われ、COTYの歴史で史上初となる複数台での接戦となったが、今年はトヨタRAV4 vs MAZDA3 vs BMW3シリーズの三つ巴の戦いとなった。また、10ベストカーに、ダイハツ タント、ホンダ N-WGN/N-WGNカスタム、日産 デイズと三菱 eKクロス/eKワゴンが選出されたこともニュースの1つだ。ズバリ、軽自動車が総合力で普通車とガチンコ勝負できるレベルであることの証明でもある。

ただ、トヨタは昨年に続いて2車種が10ベストカー入りしているため、事前予想では「また票を分け合ってしまうのでは?」という懸念材料もあった。しかし、ふたを開けてみるとトヨタRAV4は開票中一度もトップの座を明け渡すことなく、2位のMAZDA3に100点以上差をつけての獲得となった。

最終選考会の開票は60人の選考委員の採点を1人ずつ読み上げていくのだが(順番は名前順や投票した順でもなく完全にランダム)、RAV4に10点を入れた選考委員は60人中28名、逆に1点も入れなかった選考委員は60人中3名と、昨年のボルボXC40と同じように多くの選考委員が「いいクルマ」だと判断したわけだ。

ちなみに各選考委員の配点と10点を入れたモデルの選考理由はCOTYのウェブサイトに公開されているので、そちらもぜひ目を通していただきたい。

“攻め”のフルモデルチェンジを評価

筆者は今年のイヤーカーとなったトヨタRAV4に10点を入れた1人である。選考理由はハードの部分はもちろん、トヨタで最も売れる絶対的なエースであり絶対に失敗は許されないモデルにもかかわらず、チャレンジングなスタイルとインテリア、パワートレイン/プラットフォーム全面刷新による直球勝負の走りと、守りではなく“攻め”のフルモデルチェンジを行ったことを高く評価した。

さらに発売開始から約半年で約4万3000台と3年のブランクを感じさせない好調なセールスも無視できない部分の1つであった。

チーフエンジニアの佐伯禎一氏は「正直、日本ではこんなに売れると思っていなかった」と謙遜するが、トヨタの「もっといいクルマづくり」を象徴とする徹底したこだわりと「八方美人ではなく好き嫌いが分かれても構わない」といういい意味での割り切りが、新たなユーザー層を掘り起こしたのだろう。もちろん、ボディサイズなど必ずしも日本ベストではない部分もあるが、それを差し引いても魅力がある1台だと判断したのだろう。

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