さらに困ったことに、年明け2月3日にはアイオワ州党員集会が行われ、2020年大統領選挙の予備選挙が始まってしまう。この間、上院議員は弾劾裁判でワシントンにくぎ付けとなる。エリザベス・ウォーレン上院議員やバーニー・サンダース上院議員は、序盤の選挙戦に参加できなくなってしまうのだ。
怒らされてしまった民主党は勝てない?
そうでなくても大統領弾劾という大ネタがあると、どうしても民主党内の予備選挙に関する報道は少なくなってしまう。12月19日には6回目の大統領候補討論会が予定されているけれども、翌日が弾劾訴追の投票日ではまったく霞んでしまうのではないか。
中国の古典に「憤兵は敗る」(漢書)とある。ペロシさんはもともと、大統領弾劾には否定的であった。党内からの突き上げを何度も抑えてきた。それがとうとう我慢しきれず、弾劾訴追へと舵を切った。つまり怒らされてしまった。トランプさんにとっては、狙い通りの展開なのではないだろうか。
政界は寸前暗黒。ひとつだけ間違いないことは、来年も「トランプ劇場」は高視聴率をマークする、ということであろう。最後に今後のアメリカの
政治日程を押さえておこう。
〇今後のアメリカ政治日程
第4次対中追加制裁関税の実施期限(12/15)
第6回民主党米大統領候補討論会(ロサンゼルス、12/19)
米暫定予算の失効予定日→下院がトランプ大統領を弾劾訴追?(12/20)
<2020年>
日米経済協定が発効(1/1)
米上院でトランプ大統領の弾劾裁判始まる(1月初旬)
トランプ大統領の一般教書演説(1月下旬)
アイオワ州党員集会(2/3)→米大統領選挙予備選プロセス始まる
弾劾裁判が結審?(2月初旬)
ニューハンプシャー州予備選挙(2/11)
(本編はここで終了です。次ページでは競馬好きの筆者が週末のレースを予想します。あらかじめご了承下さい)。
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