「早朝から風船を売る」遊園地の"うまい戦略" 売れるはずのないものをあえて売る?

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そうすると親としては、朝に買うことの煩わしさから「後で」もしくは「ダメ」と言います。「ダメ」と言われてしまったら仕方ないですが、「後で」と言われると子どもは覚えているもの。帰るときに風船を見つけては、

子どもが欲しがる「風船」(写真:週刊女性PRIME)

「後でって言った!」

と、言うわけです。親としても子どもにウソをつくわけにはいきませんので、帰るタイミングで買ってしまうのですね。

そうです。朝から風船を売っているのは、売っているというよりは、帰るタイミングで確実に買ってもらうために見せているのです。そのため、朝に風船を売っているスタッフよりも、夕方以降の帰る時間帯のほうが圧倒的にスタッフの人数が多いです。

マーケティングとは「売れる必然」を作ること。まさに、朝、風船を見せることで夕方に「売れる必然」を作る、テーマパークの戦略の1つです。

なぜあいさつは「いらっしゃいませ」ではないのか?

テーマパークや遊園地にもよりますが、来場するお客様に対し「いらっしゃいませ」と言わないところがほとんどです。それはなぜでしょうか。

メリーゴーラウンド(写真:週刊女性PRIME)

皆さんは飲食店や小売店などいわゆるサービス業のお店で「いらっしゃいませ」と言われたら、なんと返事をしますか? 会釈くらいはするかもしれませんが、「いらっしゃいました」なんて言いませんし、「いらっしゃいませ」に対する明確な返事は、実はないですよね。

その代わりに多くのテーマパークで使われるあいさつが「こんにちは」や、「いってらっしゃい」です。「こんにちは」と言われたら「こんにちは」、「いってらっしゃい」と言われたら、「いってきます」とあいさつを返せるのです。

「いらっしゃいませ」だと一方通行のコミュニケーションでしかありませんが、これなら、双方向のコミュニケーションのきっかけになります。

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