「早朝から風船を売る」遊園地の"うまい戦略"

売れるはずのないものをあえて売る?

テーマパークはアトラクションだけではなく、現代では希薄になりがちな“フェース・トゥ・フェース”のコミュニケーションを大切にして、楽しい思い出を作っていただこうとしています。そのためにコミュニケーションをとるきっかけになる、あいさつを大切にしているわけですね。

なぜポップコーンなのか?

皆さんはテーマパークでポップコーンを買ったことがありますか? ポップコーンといえばテーマパークで食べられるおやつ、おつまみの定番です。でも、なぜポップコーンなのでしょうか。

テーマパークでは必ず売っているポップコーン(写真:週刊女性PRIME)

理由の1つとして、著名なテーマパークがアメリカで生まれたこともあり、アメリカの文化によってもたらされています。

とはいえ、ほかにも候補はたくさんありそうです。その中でポップコーンが選ばれる理由ですが、気軽につまめる、味に変化をつけやすい、飽きがこないなど、“食”という観点のほかに“収益”という観点があります。

テーマパークによって価格は異なりますが、現在、ディズニーランドではレギュラーボックスが400円で販売されています。専用の入れ物(ポップコーンバケット)をつけたら2000〜3000円ほど。

ポップコーンが400円だったとして、そのうち原材料である「乾燥したトウモロコシの粒」の原価は数パーセントでしかありません。

『なぜテーマパークでは朝から風船を売っているのか?』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

そこから人件費やポップコーンを作る機械のメンテナンス費用を引いたとしても、大きな利益を得ることができます。

以上の点を踏まえれば、収益という観点でポップコーンは非常に優秀。ぜひ、ポップコーン売り場で並びながら、どれくらいの利益が生まれているか想像してみてください。

テーマパークに隠された「謎」、「なぜ?」はマーケティングなどビジネスに使えるものから、あいさつのようなコミュニケーションといった、私生活に使えるものもたくさんあります。

もちろん遊ぶだけでも楽しいですが、ビジネスや私生活に生かせるヒントを探しながら遊ぶということもテーマパークの魅力の1つ。

まだまだご紹介しきれないほど、「なぜ?」は多く隠されています。皆さんも、ぜひ1度、探されてみてはいかがでしょうか。

<プロフィール>
清水群(しみず・ぐん)◎株式会社スマイルガーディアン代表取締役。ディズニーランドとUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)で接客、アトラクションの設計や安全管理、KPI管理による業務改善などを担当してきた日本で唯一のテーマパークコンサルタント。遊園地・テーマパークの専門家としてコンサルティングをしながら、多業種の経営コンサルティング、チームビルディング支援や、講演・企業研修の講師として活動している。
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