有休未消化はマネー面から見て「損」でしかない マネーハック的発想で有休について考える

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使わなかった有給休暇は基本的に買い取りしてもらうことができません。これは会社が買い取りをちらつかせて、休む権利を奪うことをおそれての法律なのですが、結果として使わない有休は消えていくことになります。

現状では有給休暇の時効は2年と解されていて、それ以上経つと権利が消滅していきます。6.5年以上働いた人には毎年20日の有休取得する権利が与えられるのですが、仮に月30万円の給料をもらっている人がいたとして月の労働日数が22日とすれば、有給休暇1日あたりの価値は約1万3600円分ということになります。

マネーハック的に考えると?

有休はあなたの年収に含まれていると考えるほうがマネーハック的発想です。使い切れずに毎年20日分の有給休暇の権利が消えていったとすれば、これは27万2000円を毎年捨てている、ということになるのです。

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年間の労働日数で考えてみるとどうでしょうか。土日が年104日、祝日が年16日、GW、夏期休暇、年末年始の休暇などが14日とすれば(土曜と祝日のかぶりがありますが)、実際に仕事に行く日数はおおよそ231日です。

それをさらに20日休めるということは、211日仕事に行けばもらえる年収を231日出社して稼いでいるということになり、稼ぐ「効率」を8.7%もダウンさせているともいえます(こちらは年収ベースで考えているのでボーナスも含む)。

毎月数万円くらいの年収を増やすために残業を長くする人がいますが、有給休暇を取得しないことは同じくらい、いやそれ以上の「損」と考えてみるべきだと思います。

ぜひ、有休をできるだけたくさん取るようにしてみてください。続けていると、上司も「あいつは有休を使い切るヤツ」と見なすようになり、むしろ取得しやすくなったりします。もちろん仕事をきっちりこなしてイメージダウンとならないように。

山崎 俊輔 フィナンシャル・ウィズダム 代表 ファイナンシャルプランナー

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やまさき・しゅんすけ / Syunsuke Yamasaki

1972年生まれ。中央大学法学部卒業。企業年金研究所やFP総研を経て2001年独立。全国紙などで連載。著書に『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』など。

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