強気相場は今後2年ぐらい続く。新興国市場への投資比率引き上げを--“伝説のファンドマネジャー” アントニー・ボルトン氏に聞く


--今、日本の個人投資家が国際分散投資を実現するためのモデルポートフォリオを作るとしたら、どんなポートフォリオになるか。

平均的な英国の投資家は、投資資産の15~20%を新興国市場で運用し、残りの8割方を先進国の市場で運用している。しかし、今後2~3年を考えた場合、私としては資産の過半を新興国市場で運用することを提案する。

--リスクファクターは何か。

先進国で金利が大幅に上昇すれば、株式市場にとって非常にネガティブだ。今後1~2年で起こるとすれば、それが強気相場を終わらせる要因となるだろう。同様にインフレも懸念材料だ。個人的には今後2~3年は大きなリスクとは見ていないが。来年以降、規制強化も投資銀行などいくつかの分野ではリスク要因となるだろう。

--日本株についてはどう見ているか。

詳しくフォローしているわけではないが、バリュエーション的に依然、魅力的だと見ている。政権が変わり、政策に変化があれば、今後2~3年はおもしろい市場になりそうだ。あれだけ長きにわたった政府が交代したのだから、非常に重要な変化だ。

--最後に投資家へのメッセージを。

私からのメッセージは「今、あきらめるな(not to give up now)」ということだ。過去10年間、多くの市場で株式のリターンは最悪だった。そして、そうした時期を終え、今は大きな反転の時を迎えた。

投資家の間では、「ありがたい。今こそ売って、現金化しよう」という傾向もあるが、現時点ではそれは誤った戦略だと私は考える。

それにしても興味深いのは、日本の個人投資家が非常によいタイミングで市場に買いに入ったということ。(今回の株価急落時に果敢に買い参戦したというのは)日本の投資家だけだろう。

アントニー・ボルトン
 Anthony Bolton
 英ロンドンを本拠に、長年ファンド・マネジャー職を務め、欧州では「伝説」の名を馳せた。彼は1979年から四半世紀以上にわたり、『フィデリティ・スペシャル・シチュエーション・ファンド』を単独で運用し、その間、同ファンドは(英ポンドベースで)、年率換算20%超の卓越した運用成績を残した。2007年末にファンドの運用業務を退き、現在は後進の指導等にあたっている。1950年生れ。英ケンブリッジ大学工学部卒。著書に『カリスマ・ファンド・マネジャーの投資極意』(東洋経済新報社)がある。

(中村 稔 =東経オンライン 写真:今井康一)

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