衝撃事実!GPIF理事長「処分」は謀略だった 160兆円を運用する年金ファンドの異常事態
女性がGPIFに採用されたのは2017年。採用直後の歓迎会で最終面接担当だったA理事(当時は審議役)から「もう1軒行こう」と誘われ、断れずについて行くと、「僕のこと好き?」「好きって言ってよ」と迫られ、電話番号も聞かれた。
女性はなんとか帰ろうとして、彼をタクシーに乗せようとしたが、抱きついてきたので自分がタクシーに乗って逃げ帰った。翌日もAから「昨日のこと覚えてる?」などと聞かれた。
そして同年10月1日付でAが理事に昇格し、その後も何度も食事や飲み会の誘いがかかり、その都度、断るのに苦労した。やむなくランチなどに応じたことはあるが、店名を間違って伝えられ、すれ違いになったことでAが不機嫌になり、厳しい口調で叱責されたこともある。
誰を信頼していいか分からず、GPIFのオフィスのある虎ノ門ヒルズ内のカフェで、ひとり涙ぐんでいるところをたまたま高橋理事長が目にとめ、事情を聞かれた。そこでセクハラ被害を打ち明け、以来たびたび相談するようになった。通知書には以上のようなことが書かれている。
高橋理事長は女性のプライバシーを優先
高橋理事長が経営委員会に報告しなかったのは、女性のプライバシーを優先し、当事者の理事がコンプライアンス・オフィサーからさらに昇進し、女性が行っていた業務の最高責任者になっていたことが大きい。さらにA理事はGPIFの所管官庁である厚労省からの出向者だったため、高橋理事長はまず厚労省年金局に相談して、この理事を代えようと働きかけた。それが2017年10~11月のことである。
高橋理事長からの働きかけによって、当時の蒲原基道事務次官、木下賢志年金局長も出向者の行状を承知していたはずである。処分理由の「内部の迅速な対応を怠った」がこじつけであることが分かる。
だが、1カ月後に厚労省から返ってきた回答は「まだ理事に就任したばかりで、代わりになる人がいないので、しばらく待ってくれ」というものだった。やむなくA理事の行状が収まるのを待つしかなかったが、結局、それから2年の任期が尽きるまで、厚労省が交代人事に動くことはなかった。
棚ざらしの間に女性は、A理事が他の女性社員に対しても「飲み会いついけるの?」と誘い、「カレンダーで今すぐ日にちを指定して」とせかしたりしていること、他社の知人からA理事が厚労省時代にも女性関係でトラブルを起こしていたことを知ったという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら