しきたりに縛られない今ドキの「結婚式」事情 結婚式の名のもとにできる事の幅が広がる

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そんな多様な式スタイルが広がる昨今、結婚式をすることを選ぶ人に共通することはなにか。それは、誓いの時間を大切に考えているということです。誓いというと、チャペルや神社など厳かな空間をまず想像される方が多いかもしれませんが、どんな空間かにかかわらず、きちんと、2人の言葉で誓いを立て、決意を形にすることを重視するカップルが増えてきています。

例えば、最近増加傾向にある「人前式」と呼ばれる挙式スタイルでは、キリスト教や神前式のように神様に誓うのではなく、家族や友人などのゲストに誓いを立てます。誓いの言葉もテンプレートに沿ったものではなく、自分たちの言葉でゼロから考える方も多くなっています。

また、2人が誓い合うだけではなく、神父役を友人がやったり、誓いの言葉を書いた紙に家族や友人がサインしたり、ゲストを巻き込んで承認をお願いするセレモニーも一般的になってきています。

友人が神父役を務める例もある

では、なぜ今、誓いを重視する人が多いのか。逆説的になるかもしれませんが、これまでお伝えしてきたとおり、結婚すること自体がこれまで以上に2人の決意にひも付くスタートとなっているからだと捉えることができます。

「そうするものだから」を起点に式を執り行っていない分、2人の人生の大きな結び目として、誓うこと、決意を形にすることへの意義が高まっているといえます。

「こうあるべき」は変わってくる

ここまで時代とともに変化してきた結婚式の変遷に加え、現在の結婚式で重視されていることについて述べてきましたが、どのように感じられましたでしょうか。新しく広がる結婚式の形に賛同する人も、いや、そんなにお金をかけてまで……と感じる人もいらっしゃるかと想像します。

結婚することも、それぞれの選択に委ねられている今、結婚式が2人の選択によるものであることはもはや当たり前のことです。ただ、大切な人、大好きな人が集って、楽しい時間を過ごせる1日は、時代の移り変わりに関係なく、色濃い時間になるでしょう。

生きる道筋もさらに広がり、リアルな関わりがある場はこの10年で、ぐっと貴重なものとなりました。そんな時代がさらに進んでいくからこそ結婚式も例外なく「こうあるべき」のイメージを覆す時が来ています。結婚式と称してできることはどんどん広がっていくでしょう。

平山 彩子 『ゼクシィ』編集長

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ひらやま あやこ / Ayako Hirayama

2008年にゼクシィ編集部へ入社。ゼクシィの編集記事制作に加え、PR・CMプロモーション、表紙や交通広告の業務を担当。2015年10月西日本エリア版編集長に、2016年より現職。現在に至る。

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