新「MacBook Pro」が超高価でも支持されるワケ クリエイターの意見を徹底的に重視して刷新

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プロセッサーには第9世代のIntel Core i7もしくはi9が採用され、前者は6コア、後者は8コアを備える。ヒートシンクを35%拡大し、ファンの効率を高め通気性も28%向上させるなど、高いパフォーマンスを発揮するための冷却効率にこだわっている。グラフィックスにはAMD Radeon RX 5300Mもしくは5500Mシリーズが搭載され、ビデオメモリーは4GBに加え8GBのオプションが選択可能だ。

またメインメモリーは最大64GB、SSDストレージは最大8TBを搭載することができるようになった。当然コストは本体がもう1台買えるほど追加されることになるだろう。それでも世界を飛び回るクリエイターは、あらゆるデータを持ち運び、デスクに戻らなくても満足いく編集環境を手に入れられることを、価格以上に重視する。16インチMacBook Proは、高い基本性能に加え、プロが手に入れたい環境を実現する拡張性を確保した点が重要な要素だ。

キーボードとサウンド、高い体験の質を追求

では16インチMacBook Proが、金額に糸目をつけない現場のプロだけのものかと言われると、そうではない。例えば日本では値下げとなった2.6GHz 6コアIntel Core i7モデルというベーシックモデルであっても、16GBメモリーと512GBストレージを備え、上位モデルと同様のディスプレー、高性能グラフィックス、そして新モデルで追求した高いモバイルコンピューター体験を、より長い耐用年数で実現できる。

今回のモデルでは、新たにMagic Keyboardが搭載された。このキーボードの名称はアップルのデスクトップモデルに付属もしくは別売されており、これをノート向けに再設計したものだという。

新しいMagic Keyboardには独立したESCキーが備わり、キーの押下幅が0.45mm深い1mmとなった。また左右に合計6つのスピーカーが搭載され、左側には3つのノイズキャンセリングマイクが用意される(筆者撮影)

2016年以降、MacBook Proには「バタフライキーボード」という薄型キーボードがTouch Barと共に搭載されてきた。個人的には0.55mmという薄いストロークが疲れにくく、指を滑らせるようなタイピングが可能で気に入っていた。しかし埃が詰まるなどの問題が生じやすく、筆者も時折念入りな掃除を強いられてきた。そこで新たに、デスクトップと同じシザーメカニズムを採用するストローク1mmと十分な深さを持ったキーボードに刷新された。

新しいMagic Keyboardでは、バタフライ機構の際と同様のキーの安定性、正確性を担保しつつ、独自開発のラバードームで静粛性と打鍵感を作り出した。実際、この原稿は新しいMagic Keyboardを備えるMacBook Pro 16インチモデルで書いているが、非常に静かなタイピングを、安定して行うことができる。またこれまでTouch Barに統合されていたESCキー、Touch IDを兼ねる電源ボタンは独立したキーとなり、Touch Barの幅はやや縮まった。独立したESCキーはとくにプログラミングを行うソフトウェアエンジニアからのニーズが強かった仕様であり、ここでもユーザーの要望を聞いて製品に反映させる姿勢を見せた。

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