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AIを使って「偽トランプ」の存在を暴いてみた ポジティブワードで株価支える「偽トランプ」

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  • 末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト
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OSごとのツイートのセンチメントの違いを比較すると、本物のトランプとみられるAndroidからはネガティブな内容でマイナスのセンチメント(心理)を醸成しそうなツイートが相対的に多い。他方、「偽トランプ」はポジティブあるいはニュートラルな内容のツイートが多く、本物のトランプ大統領の発言に対して「火消し」のような役割を担い、市場のセンチメントを支えていると推測される。なお、センチメント指数はソーシャルメディア上の英語表現に特化した極性辞書を用いて算出した。

極性辞書:さまざまな単語が持つ感情がポジティブかネガティブかという観点でポジティブはプラス、ネガティブはマイナスの数値をその度合いによって、ひもづけした辞書。参考:筆者記事『「明るい曲」が流行すると景気は良くなる』
 

2017年3月以降はすべてのツイートがiPhoneから発信されているため、「本物のトランプ」と「偽トランプ」が、OSの違いという切り口からは区別できなくなってしまったが、依然として「偽トランプ」が存在する可能性はある。

本人とみられるツイートに多い「フェイク」や「中国」

そこで、筆者はみずほ証券の稲垣真太郎エコノミストおよび木村柚里データサイエンティストとともに、トランプ大統領のツイートを「本物」と「偽トランプ」に分類するAIモデルを作成し、最近のツイートについても、「本物のトランプ」と「偽トランプ」を分類することを試みた。

具体的には、2015年3月~2017年3月までのAndroidとiPhoneが混在している期間のツイートを「訓練データ」として、深層学習を用いた「トランプ大統領ツイートのAI分類モデル」(Android・iPhone分類モデル)を作成した。訓練データを用いたテストによると、予測精度は86.6%と、かなり高い精度で分類が可能なことが分かった。つまり、AndroidとiPhoneでツイートする内容はかなり異なっていた。

2017年3月以降のツイートについて、今回作成した分類モデルを用いて分類し、再び使用されている単語のパターンを比較すると、やはりパターンが異なることが分かった。本物とみられるツイートでは「Fake」や「China」が目立つが、「偽トランプ」とみられるツイートでは「America」や「Democrat」などが多い。

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【足元で偽トランプの投稿が急増しているワケ】

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