アジアで急拡大する、携帯チャットアプリ 携帯で競い合う通信業界の序列に変化も
[19日 ロイター] -カカオトーク、LINE、ウィーチャット(微信)などアジアのメッセージングサービスは消費者との接点をグーグル
消費者との接点はかつて通信会社などが支配していたうま味の多い分野だが、最近はメッセージングサービスが広告やアプリ、商品、サービスなどの代替的な供給手段として急速に台頭している。
例えば騰訊HD(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>が運営するウィーチャットは、アクティブユーザー数が2億7000万人を超え、タクシーの予約や理財商品への投資が可能。ネイバー<035420.KS>傘下のLINEは最近、タイで期間限定の安売り(フラッシュセール)に乗り出し、500万人以上のユーザーがロレアルの口紅などを買うために会員登録した。
楽天<4755.T>の三木谷浩史会長兼社長が先週、モバイルメッセージングを提供するバイバー・メディアを9億ドルで子会社化すると発表した際の発言からも、メッセージアプリの供給手段としての役割が拡大していることがうかがえる。
三木谷氏は子会社化の理由について、インフラの不足などから楽天にとって対応が難しい小規模な新興国市場に進出することが可能になると説明した。
どう稼ぐのか
戦いの焦点となっているのは、世界で数十億人に上る携帯端末の利用者からどうやって稼ぎを上げるのかだ。
以前は通信会社が音声通話やSMS(ショートメッセージサービス)から、そして最近はインターネット利用から売り上げを獲得していた。しかしグーグルやフェイスブック
次に登場したアプリストアは、多くのアプリを無料で提供する一方で、ユーザーに有料アプリの購入を働きかけている。「グーグル・プレイ」や「アップストア」という最大手はその過程で30%を受け取り、通信会社と折半することもある。
こうしたプラットフォームは収入源となるだけでなく、エンドユーザーへのアクセスを効果的に管理する手段となる。アップルによると、昨年のアップストアの売上高は100億ドルに上った。
しかしモバイルのメッセージングアプリの普及により、こうした構図に変化が生じている。
アナリシス・メーソンによると、スマートフォン(多機能携帯電話)の利用者の半数以上がメッセージングアプリを頻繁に利用しており、こうしたアプリを使ったメッセージの量はSMSを上回り、今年はさらに倍増する見通し。
LINEやカカオトーク、ウィーチャットはアジアで最も人気の高いメッセージングサービスとなり、そのネットワークが消費者につながる重要部分になった。
例えば調査会社アップアニーによると、韓国ではグーグルのアプリストアで最も売れ筋の10本のうち7本をカカオ・ブランドのアプリが占めた。
海外では苦戦
もっともLINEやカカオトーク、ウィーチャットが大手にとって差し迫った重大な脅威になっているわけではない。LINEは日本、カカオトークは韓国、ウィーチャットは中国でそれぞれ市場を席巻しているが、他の市場ではまだこうした市場並みの支持を得ようと奮闘しているところだ。
ハイデラバードを拠点とするアナリストのサミール・シン氏は「とりあえずまだ今のところは、アプリストアや基本ソフト(OS)が脅かされているわけではない。プラットフォームの所有者が開発業者の行動を支配し続けているからだ」と話す。
しかしこうした変化は連綿と続く業界秩序の変化の最新の動きにすぎないとの見方もある。
ボストン大学のマーシャル・バンアルスティン氏は「マイクロソフト
(Jeremy Wagstaff記者)
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