女性に「動物型マッサージ器」がバカ受けする訳 「ルルド」はなぜ奇抜な商品を出し続けるのか

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いっぽうで、ルルドブランドでまさにその「奇抜な意匠」ジャンルを受け持っているのが、アニマルシリーズと言えるだろう。アテックスではマッサージクッションとは別に、目、頭、手、腰回り、脚など部分のケアを行うリラクゼーションアイテムも多数展開しており、10年間で323アイテムを発売してきた。

2013年に発売した「めめホット」(目元を温めるアイテム)がネコブームを背景に話題になった。またフラミンゴのインテリアや服飾もはやっており、同時期に発売された「リラミンゴ」もその潮流に乗って売れたようだ。

かわいらしさだけでなくユーモラスさやシュールさ、「キモカワ」と呼ばれるような要素を併せ持っているのも、若い女性の心を惹きつける理由だろう。

「スマホ手首」に着目した商品

そして10月30日に、アニマルシリーズの中でもダントツにシュールな商品が発売された。手首専用の「ルルド エアマッサージャー リラギョ」(6600円)だ。

魚の口に見立てられた部分に手首をはさみ、ボタンを押すと、機器に仕込まれたエアバッグが電動で膨らみ、手首周りをマッサージする。

「ルルド エアマッサージャー リラギョ」(6600円)。鯛のカマ焼きを思わせるような形状だが、色合いはファンシー。開発当初、担当の男性が「ギョッ」と鳴かせるような工夫をしていたが、後ほど女性社員の意見をいれて却下されたという(編集部撮影)

注目は、今密かに増えている「スマホ手首」に対応したこと。手首の疲れに関係が深い「短母指伸筋」「長母指外転筋」(親指を伸ばす、広げるなどの働きをする筋肉)を、弾力のあるエアカプセルによって刺激する機能を搭載している。同社によれば、スマホ手首に着目したマッサージ器は業界初とのことだ。

乾電池式でコードレスにも対応している点に、女性目線の細やかさを感じる。置く場所を選ばないので、例えばベッドの上で寝転がりながら使うなども可能。手首だけでなく足首をマッサージするのにも使える。

なお、この「リラギョ」は管理医療機器として申請許可を受けた商品である。管理医療機器とは法律上の医療機器の分類の1つ。不具合が生じたとき、健康に与える影響が比較的低いとされる医療機器にあたるもので、市町村や第三者機関などの許可申請が必要だ。消費者にとっては、商品の信頼性をある程度見極める指標となる。開発・販売側の立場から見ると「マッサージ器具」をうたえるとともに、類似商品との差別化ができるというメリットもある。

「スマホ手首」もそうだが、手や足などの末端は肩や腰と比べれば凝りなどの不調に気づきにくい。しかし深野氏によれば、末端ケアの商品こそ、ルルドシリーズのなかでも売り上げを牽引する存在だという。

「ルルド ハンドケア」(1万1000円、コードレスタイプは1万6500円)は、手のひらだけでなく指1本1本を包み込み、マッサージする機器。実際に使用した女性からの「キツかった指輪がスルッと抜けた」という声も寄せられているそうだ。発売後半年で約8万台販売。

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