来夏営業開始、N700Sは「最強の新幹線」になるか 北海道から九州まで、鉄道版「名車列伝」
400系やE6系、そして現在の山形新幹線を走っているE3系電車に共通しているのは、東北新幹線内でほかの新幹線内専用車両に繋いで走ることができるようになっていること。そのために開発されたのが、“自動分併裝置”。必要に応じて列車を分割したり併結したりすることそのものは古くからの日常的作業である。
けれど高速鉄道の列車が営業中に途中の駅で、しかも運転台からの操作だけで繋いだり切り離したりするというのは、画期的なシステムなのである。
E6系電車は、400系電車と比べて新幹線内での性能上の最高速度が時速240kmに対して時速320kmに向上するなど、15年の時間の経過を感じさせる点が数多くある。けれど、400系電車のDNAを確実に受け継いでいる優れものなのである。
「500系」永遠のアイドルスター
予感は、1992年の試作車“WIN350”からあった。1996年に量産車が登場した時には確信に変わった。現車を目の当たりにした時にはすぐさま、筆者の心の中でアイドルスターの地位を占めた。
時速320kmでの営業運転を前提として開発されたという性能面だけでなく、そのカラーリングやスタイルを含めて、すべての面で、それまでの新幹線のイメージを打ち破るものだったからだ。
車体の断面が小さくて窓際の席に座るときには頭をぶつけることがあるとか、1両ずつの定員が在来の車両と異なっていたり、出入口ドアが独自の配置だから駅での案内が煩雑になるなどの欠点は確かにあった。高性能を得るために製造コストも高かった。
“のぞみ”からは2010年に引退してしまったけれど、それから9年経ったいまもなお、山陽新幹線では編成を8両に短縮されながらも“こだま”で活躍を続けている。そればかりか、2015年から2018年までの3年間にわたって“エヴァンゲリオン”という特別なキャラクターのラッピングも施されるなど、その人気は衰えることを知らない。
量産先行編成のうち博多方の先頭車である521-1が京都鉄道博物館で保存公開されているのは、まことに喜ばしい。これによって“永遠のアイドルスター”の座を確実にしたのだから。
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