2006年に見えていた巨大台風「日本上陸」の恐怖 スーパーコンピューターは何を予測していたか
そして今回の台風19号です。10月6日に発生し、10月9日時点での中心気圧は915ヘクトパスカルまで発達し、伊豆半島に上陸する直前の中心気圧は955ヘクトパスカル(速報値)ほどでした。上陸時点では地球シミュレータが予測した「未来の巨大台風」ほどの低い中心気圧ではなかったですが、猛烈な雨を降らせ、河川の堤防に大規模な決壊をもたらし、莫大な水流によって住宅街を水に浸からせた点は類似しています。
台風19号は、海面水温の高さから台風のエネルギー源である水蒸気がたっぷりと補給されて、急激に発達。台風の湿った空気が流れ込んで前線の活動も活発になりました。台風本体の雨雲と活発な前線の雨雲によって降水量が多くなったのです。
短期間に降水量600mmは現実に
読者のみなさんはよくご存じのとおり、今回の台風19号がもたらした雨量のピークは、箱根において48時間累計で1000mmを超えました。同時に甚大な河川決壊被害をもたらせた千曲川や阿武隈川の上流地域などではシミュレーションと類似した同600mmレベルの雨が降り注いでいます。私は2006年時点で番組を見て「短い期間に600mmもの雨が降ることなんてありえるのか」と驚きましたが、ほぼそのとおりとなりました。
総じて言えば、番組が警告した未来は、現実化していると言っても過言ではないのです。
そしてこれから先、2020年代から2030年代にかけて、今までよりもさらに大きな規模の台風は発生するのかどうか。スーパーコンピューターがそれをどう予測しているのか。
20世紀にはなかった規模の台風や豪雨が日本を襲う時代。被災しなかったあまたの河川でも堤防すれすれのところを巨大な水を満たしてたぷたぷと流れすぎていく不気味な映像を私たちは目にしました。
この結果がまだ「予測されていろいろ言われていたこと」よりも抑えられたのだとしたらそれは恐ろしいことです。「知っている情報」を政治家に語ってほしいと私は思うのです。
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