知日派・李首相が「即位の礼」に出席する意味

韓国は対日関係の改善を最大限アピール

10月22日の即位の礼に出席する韓国のイ・ナギョン首相(写真:ソウル新聞)

李洛淵(イ・ナギョン)首相が10月22日の即位の礼へ出席することをきっかけに、日韓対立の突破口が開けるかが注目されている。

両国間の立場の違いはそのままで、接点をどう探すかは難しい状況だが、対話へのきっかけになるものと期待されている。1990年に、現上皇の天皇即位の礼から29年ぶりに行われる日本最大級の国家的行事に、「知日派」である李首相を派遣することで、韓国政府は関係改善への誠意を日本側に最大限アピールしているのではないかと思われる。

GSOMIA終了を前に「特使」として会談?

訪日中に李首相が安倍晋三首相と会談すれば、11月22日に迎える軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を前に、両国関係の破局を招く重大な懸案について議論されそうだ。李首相が文在寅(ムン・ジェイン)大統領のメッセージを伝える特使的な役割を担う可能性もある。

特に李首相は、安倍首相が議員時代の2005年に訪韓した際、ソウル市内で食事をするなど個人的関係もある。李首相は私的な場でも「雨が降る週末に安倍首相と会って焼酎を酌み交わした」と振り返ったことがある。

李首相は安倍氏に対し、ハンセン病患者への日本の補償が国内と海外で差別されている問題を解決してほしいと要請し、安倍氏はそれから1年後に関連法案を発議して問題を改善した。李首相はその後、官房長官となった安倍氏と会った際、「約束を守ってくれてありがとう」と直接伝えたことがある。

ただ、即位式の安倍首相には多くの会談予定があり、李首相との会談は短時間となりそうだ。この場合、深い話は難しいだろう。

それでも、李首相と安倍首相が会い、両国関係の改善で一致した場合には、将来的な日韓首脳会談といった高位級の対話再開へとつながる可能性がある。韓国・国民大学の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「双方が首脳会談の開催に合意し、徴用工と経済報復措置、GSOMIAといった問題を包括的に解決しようという方向をともにできさえすれば、それだけでも大きな成果だ」と言う。

韓国大統領府関係者は「李首相の即位の礼出席は、対話のレベルと幅を拡大させられるという点で意味がある。どの程度期待できるかを判断するには時期尚早で、輸出規制の完全なる原状回復を行おうとすれば、事前に緊密な協議が必要ではないかと思う」と述べた。

大統領府の李昊昇(イ・ホスン)経済首席秘書官は「今後、私の見方では韓国の素材・部品産業の競争力を高める政策を1000日、あるいは3年程度は続けた後にこそ、『あの時の日本の規制が韓国産業の競争力を高める契機となった』と過去形で評価されるべきだ」と述べた。

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