そして、大きなため息をつくと、こう続けた。
「私は小さな頃から “愛情が欲しい”と思って頑張るのに、いつも空回りしてきた気がします。父や母の愛情が欲しくて勉強を頑張った。結果、姉に嫉妬されて、いじめられて、思春期になったら頑張ることに疲れて、落ちこぼれた。
でも、そこから自分を立て直して、また努力をしたのに、今度は恋愛がうまくいかない。なんなんだろうな、私の人生って。大嫌いな姉ができた結婚、出産が、今の私にはできないんです」
誰のための結婚なのか
そんな佐知子に、私は言った。
「お姉さんが佐知子さんにライバル心を抱いていたように、佐知子さんもお姉さんが最大のライバルだったんでしょうね。なぜライバル心を抱いてしまったかというと、ご両親の愛情がより多く欲しかったから。だけど、親御さんは、2人に平等に愛情をかけて育てたんだと思いますよ」
幼い頃は、親の愛情を無条件で手に入れたいと思う。年の近い兄弟姉妹がいると、親の愛情のベクトルがどちらに向いているかを、子ども心にいつも観察してしまう。それは他者承認欲求の芽生えだ。しかし、その欲求を抱えたまま大人になると、つねに人の目や評価が気になって、とても生きづらくなる。
「結婚は誰のためにするのか。お姉さんや友達よりもいい結婚がしたい。ここまで1人で来たのだから、周りがあっと驚くような結婚がしたい。みんなにうらやましがられたい。そう思って婚活していると、お相手を見る目が曇ってしまうのね。
まずは、“私は私でいい”と認めてあげましょう。そして、誰のための結婚なのかを、もう一度考えてみましょうね」
誰のためでもない。自分が幸せになることを第一に考えて婚活をする。それが幸せになれる結婚への近道だ。
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