三セク「しなの鉄道」が黒字を出し続ける秘訣 新型車両を大量導入、今後は軽井沢再開発も

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――車両はどの程度のスパンで入れ替えるのですか。

現有車両は59両。そのうち3両は2014年から運行を開始した観光列車の「ろくもん」専用車両なので、そのまま使用する。そのほかはJRから引き継いだ115系で、約40年経過し老朽化は避けられない。営業距離が短く運行本数も少ない路線ならもう少し使い続けるという判断もあるが、当社の路線の状況では更新せざるをえないと判断した。2019年度を初年度として、2026年度までの8年間をかけて、52両を置き換える計画だ。

1両当たり約2億円の費用がかかるので、総額は約100億円。3分の2を国・県・沿線市町からの補助金、3分の1が自己資金の計画。しかし、新しい車両は技術革新の結果として省エネ性能が高く、検修頻度も低いため、大幅なコスト減というメリットが期待でき、SDGsにも合致する。

有料ライナーが「復活」

――今年度から新型車両が導入されるのですか。

2019年度は6両が導入される計画だ。3月に納車され、試運転を行った後、2020年7月頃から営業運転が開始できる見込みだ。この6両は有料ライナーとして運用する。かつて169系で有料通勤快速を組んでいたが、使用車両を廃車した際に有料通勤快速も廃止してしまった。初年度の6両はライナー車両ということで、進行方向に直角に配置するクロスシートと横壁面に平行のロングシートとに転換可能なデュアルシートになっている。

しなの鉄道の春日社長(編集部撮影)

平日朝は小諸―長野間のライナー、夕方は長野―上田間のライナー。土・日曜、祝日は観光用有料快速として、軽井沢―妙高高原間に2両、長野―軽井沢間に2両(2両は点検等)を運行する。また、そのほかの時間帯には普通列車(無料)にも使用する。デュアルシートの機能も駆使して、マルチにフル回転させていきたい。

リンゴをデザインしたシートや木目調の床、Wi-Fi、コンセント、カップホルダーを設置するなど、便利さと快適さを備えているので、利用者にも受け入れられ、収益も上げられるものと期待している。

――2020年度以降に入る車両はどのようなものですか。

すべて一般車両。ライナー車両の外観は「沿線に爽やかな新風を」をコンセプトにロイヤルブルーの配色としたが、一般車両は「地域に寄り添い、その先の未来へ」というコンセプトで、コーポレートカラーの赤が基調となる。2020年度は8両入れる予定だ。

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