東須磨小「教員イジメ」が他人事で済まないワケ

なぜ大人のイジメは深刻化しているのか

「私は週2回くらい仕事から帰るのが遅くなって延長保育をしてもらっていますが、それが気に入らないお母さんたちがいて、かなり悪口を言われているみたいなんですよ。

お母さん同士のグループLINEがあるのに私だけ仲間外れですし、そのうちの4人はあいさつどころか、目も合わせようとしません。保育士の先生たちにも『ご飯を与えていない』『たたかれている』などのウソを言われ、園長に呼び出されて注意されたこともあります。

娘は子どもとも先生とも仲よくやっているのに、私がいるときだけ微妙な空気になってしまい、運動会や遠足などの保護者が参加するイベントでも孤立してかわいそうな思いをさせてしまいました。自宅と駅の間で送り迎えがしやすいし、娘のために何とかうまくやっていきたいのですが、これまでの人生で1度もイジメられたことがないのですごくつらいです」

大半の組織は、「自分たちにとって都合の悪いことは、事を荒らげず穏便に収めたい」という正常性バイアスが働きやすく、「その場は収まったけど、結局問題が再燃してしまう」というケースに陥りがちです。

この正常性バイアスこそ、大人のイジメの大敵。とりわけ学校や保育園など教育の場は、「罰を与えるのは教育とは言えない」という観点から、加害者に甘い対応をする傾向が大。実際、東須磨小はイジメが発覚した際、「校長が職員室にいる時間をできるだけ増やす」「被害教師に加害教師と距離を置くように伝える」などの生ぬるい対応に終始してしまいました。

佳奈さんのケースも場所が保育園だけに、園長や保育士たちは「できるだけ穏便な形で」「できれば親が我慢してください」という形で事を収め、イジメが看過されたため、苦しい状況が変わらなかったのです。

加害者の母親たちが佳奈さんの娘に何かをしているわけではないこと、佳奈さん自身「かなり悪口を言われているみたい」と疑心暗鬼になっていることを踏まえても、保育園側に両者の間に入ってもらい、行き違いや誤解を解くべきでしょう。

もしそれでも改善されなければ、イジメの加害者たちと物理的な距離を取るために、「幼稚園を含めて転園先を探すのか」。それとも「娘の気持ちを優先させて残り2年間我慢するのか」。決断するのは佳奈さん自身なのです。

危険なのは「すぐに逃げられない場所」

ここまで2つのエピソードを挙げてきましたが、大人のイジメが起きやすいのは、「日常的に顔を合わせるうえに、すぐに逃げられない場所」の人間関係。イジメのネタが多く、継続しやすく、グループになりやすいなど、エスカレートしやすい条件がそろっていることです。

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