過剰装飾なし、JR東の観光列車は新基準になる?

デザインすっきり、新潟―酒田に「海里」登場

装飾を施して乗客の目を引きつける最近の観光列車のトレンドとは一線を画し、外観も内装も落ち着きのある、すっきりしたデザインだ。

「(一般の乗客も利用する)快速列車としての使い勝手も考えた」と、車両開発を担当したJR東日本運輸車両部・車両技術センターの菊地隆寛所長がデザインのコンセプトを説明する。そして、「凝ったデザインをアピールする列車ではない」としたうえで「夕日や新雪、車窓を流れる季節感をぜひ味わってほしい」という。新造された列車としては珍しく、窓が開く構造となっている。これも自然の風を感じてもらいたいからだ。

装飾に頼らない観光列車

車両の内装や外装のデザインを担当したのは、工業デザインの分野では定評があるGKインダストリアルデザイン。同社を含むGKグループはしょうゆ差しからオートバイまで使いやすさを重視したデザインを数多く手がける。鉄道ではJR東日本の中央快速線E233系や2020年春にデビュー予定の近畿日本鉄道の名阪特急「ひのとり」などの実績がある。

ある鉄道会社の幹部は、「中古車両を観光列車に改造する際は、大きな設計変更ができないため装飾に頼らざるをえない」と実情を明かす。その意味では、装飾重視型の観光列車もある意味で仕方がないともいえる。

一方で、海里はピカピカの新車である。ベースとなる車両はHB-E300系。観光列車としての使用を前提として開発され、展望スペースや大きな窓など、新造車ならではの特徴が際立つ。新車を投入できるのは、資金が潤沢なJR東日本だからこそだ。

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