日本人の9割がわかっていない「資本」の本質 「バランス」ではなく「ループ」で一気に改善

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あなたには「やりたいけれど、なかなか手をつけられていない」ということはないだろうか。例えば、次のようなことだ。

・資格の勉強をしたい、英語の勉強をしに海外留学したい
・学生時代にやっていた楽器をまた練習・演奏したい
・子どもを連れて世界一周旅行をしてみたい

しかし大抵その障害になっているのは、お金と時間の問題である。この2つはつねに連動している。まず時間の問題について考えてみたい。

経団連の調査によれば、現代日本での給与所得者の1日の平均労働時間は8.3時間であるらしい。一方で転職情報サイトのオープンワークの調査によると、サラリーマンの平均残業時間は月28時間であるようだ。

こう見ると一時期より労働時間は短くなったようだが、それは平均の話であり、もしかするとあなたも「稼いだお金を使う時間が少ない」という悩みすら持っているかもしれない。

近年では、ワークライフバランスという言葉がある。分解すれば、ワークとは仕事であり、お金を稼ぐこと。ライフとは、生きることであり、時間を使うことである。この2つを天秤にかけたとき、「つい働きすぎてしまいがちだから、プライベートの時間も増やせるようにしよう」というのが世間一般でのワークライフバランスの議論だ。

しかしこの言葉が提唱されてからしばらく経つが、いまだ実現できる気配がない。なぜなら、「ワークとライフ」「お金と時間」をトレードオフの関係で見ている人がほとんどだからだ。

まさしく天秤のように、あちらを立てればこちらが立たず。働かなければお金が稼げず、ライフのほうも成り立たなくなる。結局、残業しなければならない状態に戻る。実はここで重要なのが、やはり資本である。

お金・時間・資本をループさせると一気に改善されていく

例えば、「食洗機」は資本の1つだ。汚れた皿を入れると、きれいな皿にしてくれるという価値を生み出し続ける。

パートに出ている主婦(主夫)がいるとしよう。毎日の皿洗いに30分かかっていたところ、奮発して10万円の食洗機という資本に投資をした。すると、30分長くパートに出ることができ、3カ月もすればその10万円分を多く稼ぐことができる。それ以降、食洗機が壊れるまでの数年間は、それまで食器洗いに費やしていた時間を完全に空き時間にできる。食洗機を買うまでは、この30分はどこにも存在しなかった時間である。

資本とは、価値を生み出し続ける存在だと言った。お金や時間を資本という形に変えて増やしていくと、それによってさらに多くのお金が手に入る。そしてそのお金を使って時間を買うことができる。

お金と時間の2者の「バランス」で考えるとカツカツだったところが、そこに資本を組み合わせて、3者の「ループ」で考えることで一気に状況が改善されていく。これが資本主義社会における基本的な思考である。

次ページ資本を蓄積する習慣が、やがて理想の生き方を実現させる
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