続く無断投稿「漫画村」はなぜ繰り返されるのか

海賊版横行で日本の漫画文化が破壊される

運営者たちに損害賠償を求める動きも定着し始めている。漫画村が有名になる前から海賊版サイトとして有名だった「はるか夢の址(あと)」の運営者ら3人は今年1月、大阪地裁で懲役2年4カ月から3年6カ月の実刑判決を下された(運営者ら3人はその後控訴)。7月には講談社がこの3人に対し、約1億6000万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしている。

一方、東京地裁は昨年11月、ユーチューブに対し小学館の発行する人気漫画『闇金ウシジマくん』のネタバレ動画の投稿者情報を開示するように命じる仮処分決定を行った。

キャラクターの静止画の上に、漫画のセリフやストーリーを文字にして投稿する「ネタバレ動画」については、これまで訴訟の場に持ち込まれることがなかった。だが、裁判所は著作権侵害であるとの決定を下したわけだ。

ブログ投稿であらすじ抜き出す「違法」事例も

漫画のセリフなどを抜き出し、あらすじがわかるようにしたブログ投稿で、特定の月額サービスサイトへのリンクに誘導し、アフィリエイト収入を得ようとする事例も多数見られる。今後はそのような投稿も著作権法上の問題となる可能性がある。

小学館が運営する漫画配信サイト「マンガワン」で『圧勝』を連載する小虎(しょうこ)さんも海賊版による被害を受けた若手漫画家の1人だ。

「大人の役割」を訴える漫画家の小虎さん(記者撮影)

友人からの連絡で漫画村に自分の作品が掲載されていることを知った。ユーチューブに作品がアップロードされていたこともある。

漫画の画像はツイッターでもよく無断使用されている。その是非について、小虎さんは「ツイッターだと4枚程度の画像しか上げられない。その程度の抜粋ならストーリー全体はわからないだろうし、『この漫画がおもしろい』という宣伝であれば許せる」と話す。

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