今や8人に1人が「婚活サービス」で結婚する背景 自由恋愛の歴史に大きな変化が訪れている

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市場が変わる中、利用者のボリュームゾーンとなる若年層の価値観も大きく影響している。彼らは、バブル崩壊、阪神淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災といった非常に不安定で変化の多い時代を生きてきたため、身の丈や調和を大切にする、という共通の価値観があるようだ。

またデジタル化が急速に進むことでスマホの普及率も高まり、物事の便利化が進んできた時代でもあり、合理性や効率性を重視する志向が広がっているのだろう。

婚活サービスはそもそも出会う前から「結婚に対する距離感」が明確であり、HATが解消されつつある中で、合理性や効率性重視といった価値観を持つ若年層にとって身近で簡単に始められるサービスになったことは、とても自然な流れだ。

また、彼らはSNSが当たり前の中で青春時代を過ごしてきたため、オンラインでの自己開示ハードルが非常に低い。それも後押しして、ネット系婚活サービスの普及も目覚ましい。大手企業が参入しだした2013年には、結婚した人の2.0%がネット系婚活での出会いを通じて結婚に至っていたが、2018年にはなんと7.4%になった。結婚を取り巻く環境が大きく変化していることが表れている(「婚活実態調査2019」)。

婚活サービスが変える「結婚相手との出会い方」

利用者の「出会い方」に対する価値観の変化と企業努力が相まって、今後も、婚活サービスを通じて結婚する人は拡大していくだろう。実際に、恋愛や結婚意欲のある20~40代独身者の4人に1人が婚活サービスの利用経験があり、性年代別でみてもどの層も大きく利用割合を伸ばしている。

さらに、サービスごとでみると、ネット系婚活の利用が大きく伸長しているが、結婚相談所や婚活パーティーも一定割合の利用があり、さまざまなサービスを併用しながら自身の納得したカタチで相手との出会いの機会を広げている。また、周囲に婚活サービス利用者がいれば3.8倍利用経験割合が増えるといったデータもあり、今後、急激に利用が拡散し、出会い方としてスタンダード化する可能性も考えられる。

さらに、婚活のイメージをみると「婚活サービスでみつけた恋人とは、趣味や関心事が合いそう」といった項目について年代が若い層のほうが高く、婚活サービスをポジティブに捉えていることもわかった。このことからも、今後の利用者の増加につながることが想定できる。このように今後利用者が増加する可能性が高まり、結果、マッチング総数が増加することで、一般化が進むだろう。

今後、この流れの勢いのまま、かつて「お見合い結婚」から「恋愛結婚」に常識がシフトしたように、婚活サービスを通じた「自立的出会い」が主流になっていくのかもしれない。

リクルートブライダル総研
Recruit Bridal Souken

結婚情報誌サービス『ゼクシィ』を企画運営する株式会社リクルートマーケティングパートナーズにおける調査・研究機関。恋愛・婚活・結婚・結婚式・家庭生活に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの発展に貢献することを目的として活動している。

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