農林中央金庫が国際運用を止められないワケ、「身内」増資で損を穴埋めだが... 

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農林中央金庫が国際運用を止められないワケ、「身内」増資で損を穴埋めだが... 

初の生え抜きトップ誕生--。2月20日、農林中央金庫は1・9兆円もの巨額増資と同時に、4月1日付で上野博史理事長が退任し、生え抜きの河野良雄副理事長が昇格するトップ人事を発表した。

理事長は上野氏まで農林水産省事務次官が歴任してきた。信用農業協同組合連合会(信連)や農業協同組合(農協)も、かつては農水省とのパイプ役を期待していた。ところが最近では、身内の信連や農協からも「天下りを受け入れ続けるのか」と批判が出るようになったという。

農林中金は海外の証券化商品への投資により、2008年9月末時点で有価証券全体では約1・6兆円もの含み損を抱えている。減損損失で減った自己資本を穴埋めし、さらに将来の損失に備えるため、かねてから都道府県単位での農協の連合組織である信連と一部の農協から出資を募る計画を発表していた。

今回の増資で農林中金は、金融機関の新しい自己資本規制であるバーゼルII基準の自己資本比率が15%程度になるという。08年12月末の自己資本比率10・74%、TierI比率が6・80%とされるが、それぞれ10%、6%が米国のFHC(金融持ち株会社)として自己投資の自由度を維持するには必須とされる。これに照らせば、まさに瀬戸際だった。

また、格付けが引き下げられると市場でカウンターパーティリスク(取引相手方のリスク)が認識され、スワップ市場などから締め出されるおそれもあった。今回の増資を受けてムーディーズ・インベスターズは、格付けAa2を据え置くと発表。もっともスタンダード&プアーズはA+を付けており、系統組織全体を単一の経済事業体と見なし、身内からの増資は系統内の資本の付け替えにすぎないと否定的だ。

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