「韓国の高速道路」は日本と何が異なるのか 実際に現地で運転して気づいたこととは?

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サービスエリアに入る靴店と洋服店(筆者撮影)

その一方で、ご当地のお土産が所狭しと並ぶショッピングコーナーは、かなり様相が異なっており、靴や洋服を売る店が入っているなど、お土産というよりは日用品を売る店が目につくのが日本との違いの1つであった。

食事は、ビビンバや冷麺などの韓国料理、トンカツなどの和食(韓国では「日式」と表示されている)、ラーメンなど、提供するメニューによって分かれるフードコートだけがあるサービスエリアと、独立した店舗の形式となっているレストランがあるところがある。今回は韓国式ラーメンと海苔巻き(キムパ)のセットメニューを頼んだが、500円もしないにもかかわらず、味、ボリュームとも十分満足できた。

また、大抵スナックコーナーもあり、ホットドックにくるみ饅頭、トッポギにおでん、たこ焼きなど、バラエティーも豊かで、目移りしてしまいそうなラインナップであった。

日本と同様に国産車の普及率が高い

韓国は、日本と同様に国産車の普及率が高く、登録台数のうち9割強を現代、起亜、ルノーサムスン、韓国GMなどの韓国メーカーの車が占めている。日本ではあまりお目にかからない車が次々と高速道路を走る姿を見ながらドライブできるのも、車好きには至福の時間かもしれない。

ちなみに今回借りたレンタカーは、現代自動車のアバンテ(4ドアセダン)だ。カーナビが標準装備されており、英語にも対応しているため、例えば金浦空港に行くには目的地を「GIMPO AIRPORT」とハングル読みのアルファベットで入力すれば、きっちり案内してくれる。道路標識のハングルとその読みのアルファベット表記がわかれば(例えば、「扶余」は、「부여 Buyeo」と表記)、運転もそれほど難しくない。

ソウルと釜山を結ぶ高速道路1号線は片側5車線(筆者撮影)

また、下関と釜山を結ぶ関釜フェリーを利用すれば、多少特別な手続きは必要ではあるが、自分の愛車で韓国をドライブすることもできる。日韓関係が冷え込む今の時期はためらわれるかもしれないが、片側5車線の高速道路を走る感触を確かめる旅も悪くないように思う。

今回の調査は私にとっては10回目の訪韓であったが、いつもどおり出会った人の親切に助けられた旅で、こういう時期だからこそ訪れる人をもてなそうとする人々の笑顔が心に残る調査でもあった。

佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、NPO産業観光学習館専務理事、京都光華女子大学キャリア形成学部教授、リベラルアーツ・ジャーナリスト。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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