VWの電気自動車「ID.3」は、どんなクルマなのか 2019年末に欧州で発売、日本投入時期は未定

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従業員向けには新たにBEVを取り扱うための高電圧トレーニングを実施している。ここでは最新のバッテリーシステムや、電気配線を安全かつ正しく取り扱う方法について学んでいる。VWでは高電圧トレーニングに合計1万3000日が必要としてカリキュラムを組んでおり、このうち約8000日が完了し、2500人以上の従業員がすでにe-モビリティの資格を取得した。

筆者とID.3(筆者撮影)

世界初公開されたID.3の納車は2020年の夏にまず欧州で開始される。これは、3万台以上の予約を成立させた事前予約キャンペーンで予約したユーザー向けとのことだ。ドイツにおける量産モデルのスタート価格は3万ユーロ未満。これは現在、販売されているフォルクスワーゲン「ゴルフ」のディーゼルエンジン搭載車と同等だ。

さらに、そこから大衆向け電気自動車として政府からの補助金が控除されるため、差し引きした車両価格は一般的な小型車の価格と同等レベルになる見込み。注目のID.3だが当然、日本市場へも導入される。しかし、その時期については未定だ。

ロゴとブランド・デザインを一新

最後に、このVWグループメディアナイトでは、ID.3のお披露目とともに、新しいロゴとブランド・デザインを発表した。これまでの立体的なロゴデザインから、平面的2次元デザインへと変更したことで電動化、コネクテッド機能、カーボンニュートラルの特徴を表現。また、サイズの大小にとらわれることなく、デジタルメディアにも適するようになっている。

VWの新しいロゴ(筆者撮影)

新しいロゴは、地色にブルーのトーンが追加され、追加のカラーバリエーションも認められている。シンプルで使いやすいインターフェースを備えたデジタル・アプリケーションの重要性が非常に高まっていることにも対応し、将来的に新しい「ムービング・フレーム」と呼ばれる枠の中に柔軟に配置することができるようになるという。

なお、フォルクスワーゲンのブランド・デザインの変更は、新たなブランディングキャンペーンでは世界最大級で、新しいブランド・デザインへの切り替えはフォルクスワーゲン全モデルに段階的に適応され、2020年半ばまでに完了する。

ヘルベルト・ディース氏はVWグループメディアナイトでのあいさつを「2025年以降の早い段階で、欧州および中国市場で販売される新車販売台数の50%はBEVになるだろう」と締めくくる。フォルクスワーゲンが企業生命をかけたBEVをはじめとした電動化に向け、すでに舵は切り終えた。同時にディース氏の言葉に、こうした後戻りできない状況に自ら追い込んだフォルクスワーゲンの強い決意を筆者は感じた。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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