また、西武新宿線の新所沢駅付近には新所沢パルコもあるが、パルコも、かつてはセゾングループで現在は J.フロント リテイリング傘下となっている。
所沢の地では、鉄道、西武所沢S.C.、西友、パルコというかつての西武グループ関連企業が、いまだ勢ぞろいしながら、現在はそれぞれが別経営というある種の“ねじれ現象”に至っている。しかし、それら企業が所沢発展の歴史を支えてきたのは間違いないだろう。
所沢駅以外にも…
所沢と一言で言っても、そのイメージを代表するようなものは、所沢駅最寄りではなく、案外広域に存在している。
所沢市役所、図書館本館、市民文化センターで大ホールのある「ミューズ」など市の公共施設は、所沢駅から西武新宿線で1駅の航空公園駅最寄りにある。
所沢は日本で最初の陸軍飛行場が開設されるなど、「航空発祥の地」としての歴史を持つ。航空公園駅前には戦後初の国産旅客機「YS11」実物が展示されていて、「航空」をこの地の特色として打ち出そうという心意気を感じる。
また、早稲田大学の所沢キャンパスは、所沢駅最寄りと思いきや、西武池袋線で所沢から2駅目の小手指駅からスクールバスで約15分という地点にある。
埼玉西武ライオンズの本拠地、かつての西武球場、現在のメットライフドームは、所沢から西武池袋線で1駅目の西所沢駅で西武狭山線に乗り換えて2駅目6分という立地。
所沢ってどんなところなのか、志木市や朝霞市など東武東上線沿線の市民に聞いてみると「ライオンズくらいしかない」という冷ややかな反応が返ってきた。一方、浦和出身者(40代男性)は、「セゾン文化華やかなりし頃である1980、1990年代、所沢には西武やパルコがあるし、西武池袋線で池袋とも直結していたので輝いて見えた。子どもの頃はライオンズの球場があるのも魅力だと思っていた」という好意的な印象を持っていた。
所沢市の人口は、埼玉県内ではさいたま市、川口市、川越市、越谷市に次ぐ第5位。3位の越谷市と拮抗する34万1520人(今年8月1日)となっている。市の人口が10万人を超えたのが1967年、20万人超になったのが1976年、市政施行40周年の1990年に30万人都市となった。
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