日本の観光客はIRやスキー場整備でまだ伸びる

菅長官とアトキンソン氏がトコトン語った

菅義偉内閣官房長官(右)とデービッド・アトキンソン氏(撮影:梅谷秀司)
日本の観光産業が急速に拡大した要因と、その過程で見えてきた課題は何か。観光戦略を推進してきた菅義偉内閣官房長官と、『新・観光立国論』などの著書で観光政策の重要性を訴えてきたデービッド・アトキンソン氏。インバウンド対応の現状と今後の課題について、踏み込んだ議論を交わした。

 

──多くの地方が訪日客増加の恩恵を受けています。

:観光立国を掲げた当初は東京、富士山、京都、大阪などを巡る「ゴールデンルート」中心の展開だったが、政府が地方にも積極的に訪日客を誘導した。今では訪日客の利用を目当てに、各自治体と連携して「道の駅」の周辺にホテルを作る民間企業も増えてきた。

アトキンソン:地方の経済状況が大きく変わってきた。10年前は疲弊していた地方の町が、訪日客の増加を受けて復活しつつある。訪日客の誘致に悲観的・保守的だった神社やお寺も、徐々に姿勢が変わってきた。中には、「今後数年のうちに大改修する」と、言い出した神社もあるぐらいだ。

「韓国政府に対しては冷静に対応していく」

──ここのところ、訪日客全体の2割強を占める韓国と政治的緊張関係にあります。東アジア諸国からの訪日需要に、悪い影響が出るのでは。

:韓国政府に対しては感情的にならないよう、冷静に対応していく。一方、中国との関係は改善している。昨年、安倍首相が国賓として中国を訪問し、来年の早い時期には習近平国家主席を日本に招く予定だ。こういった動きも追い風となり、今年に入っても中国人訪日客数は10%程度の伸びを維持している。中国人訪日客は、どんどん増えるだろう。

アトキンソン:これまでは観光政策のターゲットをアジアに定めてきたが、昨年からは欧州など世界中から満遍なく来てもらう方針に変わっている。この効果も出ているのではないですか。

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