現地ルポ、日立「イタリア鉄道工場」の最深部 設備や技術力は?日本庭園や食堂もすごい

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イタリア国内3工場のうち、このピストイアは920人の従業員を擁する基幹工場となっており、ナポリの880人、レッジオ・カラブリアの450人と併せ、2250人がイタリア国内の事業所で働く。

一通りの説明が終わると、事務所を出て工場内へ。ここからは案内役として、同工場副社長で車両製造の責任者でもあるロゼリオ・ファランガ氏も加わった。工場へ向かう途中の中庭に、アンサルドブレダが日立となってから造られた日本庭園があり、その背後には何本もの桜の木が植えられていた。

細く短い桜の木が、まだ2つの会社が一緒になってから3年半しか経過していないことを如実に物語っているが、数年後には立派な木となり、春には満開の花を咲かせることになるだろう。来訪者に、この会社が日本の会社であるということを印象づけ、また従業員に日本文化への理解を深めてもらうためにも、こうした演出は粋な試みだといえる。

出荷直前の新車がスタンバイ

われわれはまず、中庭を抜けた先にある、完成車の最終テストを行う建屋を訪れた。ちょうど英国トランスペニー向けの802系バイモード車両と、地元トレニタリア向けのETR700型車両が入線していた。ここでの最終チェックが終われば、各鉄道会社へ出荷され、営業運転に向けた本線での試運転へと移る。

そのチェック作業中の車両内へ、特別に入らせてもらった。出荷直前ということもあって、座席や床面には養生が張られ、車内ではエンジニアが忙しく作業を行っていたが、われわれが車内へ入っていくと、どの従業員も作業中ながら手を止め、「ブォンジョルノ(こんにちは)」とあいさつをしてくれる。

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