不登校になった中2帰国子女が抱えた「心の傷」 勉強もノリもついていけず、体重30㎏程に…
――その後、高校進学はされたのでしょうか?
私立中学校だったので高校には進学できるものの、卒業は難しいだろうと伝えられました。
そこで、フリースクールも含め、いろんな不登校の子が通う場を見学し、通信制高校のサポート校に通うことにしました。
その学校に決めたのは「ふつう」に戻りたかったからです。制服を着て、毎日通う「ふつう」の高校生になりたいって。
でも、いざ入ってみると、最初にとまどったのは同級生たちとの会話です。みんなが大好きなアニメや漫画の話にはついていけず、また苦しくなってしまいました。
ただ、アルバイトを始めてからはバイト先で楽しくすごせたので「私は私でいいんだ」って、少しは思えるようになってきましたね。
だんだんと体重も戻ってきて、学園で友だちとアニメ以外の話もできるようになり、恋もしました(笑)。
それでも「ふつうじゃない」という気持ちが強かった
――充実していた時期なのでしょうか?
いえ、サポート校に通う自分は「ふつうじゃない」という気持ちが強かったです。なんか、悔しかったなあ。
それで「ふつうになりたい」と思い、高校の在学中から大学進学を目指して予備校に入ったんです。でも目の当たりにしたのは、キャピキャピして楽しそうな女子高生たち。
それがまた悔しくて猛勉強して偏差値30から大学に入りました。ところが大学入学後も、また友だちはできませんでした。
飲み会のノリも怖かったし、最初のころは「便所飯」もしていたんです。トイレで食べなくてもって思うけど、ベンチにひとりでいるのを見られるのもつらくて、何百人といる大学内で孤立していました。