それでも日経平均は2020年に3万円へ向かう 「米中」「英国」「日韓」問題の行方はどうなる
確かに、ハイテク分野の最終製品は韓国、中国、台湾の後塵を拝しているように見えますが、これらの国々が最終製品で優位に立てるのは、日本からの部品の供給があるおかげです。図らずも、日韓問題のヒートアップで、そのことが白日の下にさらされました。
日本にしかないオンリーワン技術を抜きにして、世界のサプライチェーンは成立しません。現在、ハイテク製品の生産集積地は北東アジアですが、それは優れた部品を供給できる日本がいるからです。
また、アップルやグーグル、フェイスブックといったテック企業が日本にはないという声も聞きますが、日本にはソフトバンクグループがあることを、声を大にして言いたい。孫正義ソフトバンクグループ会長は、コンピューターの黎明期から自分の目でその発展を見てきた人物であり、今どの技術が旬で、何に投資するべきかがわかっています。このようなテック企業の経営者は世界的に見ても皆無です。
今後、テック分野においてM&Aは活発化していくでしょう。前出のアップルやグーグル、フェイスブックはコア技術が成熟段階に入っているため、これから先、さらに事業領域を広げるには、M&Aが不可欠になります。孫正義会長はM&Aを熟知していますから、これからテック分野の競争がさらに激化していくなかで「孫正義」「ソフトバンク」の名前は無視できないものになるはずです。
日経平均は来年3万円になってもおかしくない
このように、国内株式市場の需給は徐々に改善へと向かい、日本企業のファンダメンタルズも決して悪くはないのに、日本の株価は昨年10月につけた直近高値の2万4448円をはるかに下回る水準でボックス圏の推移を続けており、グローバルで見ても出遅れ感が目立ちます。
その理由としては、世界各国の株価が政策依存度を高めていることが挙げられます。具体的には金融緩和と財政支出拡大です。アメリカがまさにその典型例で、トランプ政権のもと金融緩和と財政支出拡大を推し進めることによって、株価は過去最高値を更新し続けてきました。
ところが日本の政策面に目を向けると、現下、追加緩和余地は小さく、秋には消費増税も控えています。つまり金融緩和は思うように進められず、財政は緊縮へと向かっています。これらが株価にとってネガティブ要因となっているのです。
しかし、これも徐々に好転していくと考えています。10月に消費税率の引き上げを実施できれば「今後少なくとも10年程度は、消費税率の再引き上げをする必要はない」と、安倍晋三首相は明言しています。参議院選挙も終わり、今度は衆院解散総選挙に向けて、リフレ政策の有効性を確認する動きを打ち出してくる可能性が高まっています。
そのうえ世界景気のミニサイクルは、2016年ボトム、2018年ピークをつけた後、2019年央にボトムを打ち、次の山に向かう可能性が高まっています。世界景気ミニサイクルの好転が日本企業の業績に反映されれば、徐々に業績相場への移行も期待されます。日銀がETF(上場投資信託)の買い入れ増額を打ち出してくる可能性もあり、これらが出遅れている日本株を押し上げる力になるでしょう。
日本の株価はこれから強くなります。2020年中には日経平均株価で3万円になってもおかしくありません。そして、それはあくまでも通過点にすぎず、中長期的に株価はさらなる高みを目指すことになるでしょう。
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