鉄道模型大手「KATO」が新工場、何を造るのか 埼玉県内、3万㎡超の広大な土地に建設

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厳密に言うと、カトーは全国の鉄道模型ショップなど小売店に卸売りをしている販売会社で、製造しているのは(株)関水金属。カトーの歴史をまとめた書籍『KATO Nゲージ生誕50周年記念誌』によれば、社名の由来は創業の地が文京区関口水道町だったからだそうだ。

赤い電車が目印の関水金属本社ビル。1・2階は「ホビーセンターカトー」東京店だ(筆者撮影)

最初の本社が1958年の狩野川台風で被害に遭ったため、水害の恐れがない場所を探し、落ち着いた先が新宿区西落合。現在の本社は2014年3月に竣工した5階建ての建物で、延べ床面積は約4000㎡ある。

1・2階部分にはショールーム「ホビーセンターカトー」東京店が設けられていて、休日ともなれば鉄道模型ファンが集まる、いわば鉄道模型の聖地となっている。

現本社の2ブロック西隣には、1960年代前半に建てられた作業所、事務所、創業者の自宅を兼ねた建物が今も取り壊されずに残っている。

工事中の場所は元養命酒工場

前出の記念誌によれば、需要の拡大に伴い、1980年に坂戸工場、翌1981年に埼玉工場が稼働。坂戸工場は鉄道模型用線路生産の専用工場、埼玉工場は設計、金型の製造、組み立て、出荷に至るまで、車両製造のすべてを担う生産拠点とある。

登記簿謄本によれば、坂戸工場は2階建てで延べ床面積は2775㎡。埼玉工場は1981年10月に竣工した2階建ての工場が延べ床面積5009㎡。1990年7月に増設した倉庫が1166㎡。そして1998年1月に竣工した7階建ての新館が延べ床面積で1万㎡ある。この2カ所の工場の延べ床面積を合計すると、約1万9000㎡になる。

現在工事が進行中の当該地には、もともと養命酒製造の埼玉工場が建っていたが、周囲の宅地化が進んだことから、2006年に閉鎖。跡地の南側に太陽光発電所を建設したのは2012年だ。

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