日経平均は上下どちらかに大きく動きそうだ 「売り」と「買い」の両方のシグナルが点灯
FRBの金融政策で見ると、2015年末から利上げを始め、2017年10月からは量的引き締めも追加した。この予防的政策で同国株は史上最高のレベルに到達し、今もほぼその位置でモミ合っている。
しかし、政策を誤ると天井圏の反対にある底値圏(景気下降相場)に落ち込む。そこでは「金利低下・株価下落・景気低迷」が起こっている。そうならないように「パウエルFRB」は「予防的利下げ」政策に転換したわけだが、投資家は「急激な金利低下は、景気下降相場の金利低下ではないか」と疑心暗鬼になる。
実は、投資家が作り出した債券バブルで異常値になった自身の影(金利低下)に投資家が怯えているだけなのだが。とにかく景気下降相場に落ち込まない匙加減が難しい時に、ドナルド・トランプ大統領は「さらに下げろ、下げろ」のプレッシャーをかける。パウエル議長の手腕が試される時だ。
米中対立が勃発した時に、われわれは「これは20年戦争の始まり」(アリババのジャック・マー会長)と認識した。両国の対立がもたらす「世界経済への負の影響」は続いているが、世界は冒頭の中銀のように、低金利政策で抵抗している。
「売り」「買い」双方のシグナルが点灯
一方、すでに低金利緩和策をとっていた日本は今、円高に怯えている。その中で日経平均も重要なところに差し掛かった。移動平均線で見ると、8日(木)に200日移動平均と75日移動平均がデッドクロス(長期線に対して短期線が上から下に抜けること。典型的売りシグナル)し、9日(金)には200日移動平均と25日移動平均がデッドクロスし、連休明け13日には、75日と25日移動平均線がデッドクロスしそうだ。
これらは極めて明確な「売りシグナル」だ。急落の結果、日経平均は一時2万110円まであった。今年に入っての急落場面の底値を引け値ベースで見ると、2月8日2万333円、6月4日2万408円、8月7日2万516円と、僅かながら底値が切り上がる「きれいな3点底」が形成されている。もちろん、8月7日の底値はまだ決定したわけではないが、デッドクロス連続で「極めて明確」な売りシグナルと「綺麗な3点底」という買いシグナル。どちらが正しいのか。今週すぐにも証明されそうだが。
ただ、もし「3点底」が壊れたとしても、個別物色では希望がある。個人投資家の投資意欲を大きく削いでいた「通信の」ソフトバンク(9434)が、昨年のIPO価格1500円を先週末一時的だが上回ったことだ。市場センチメントは変わったと思える。他の銘柄でも、業績好調銘柄はしっかり買われている。
さて今週の主な予定では、日米中の重要経済指標が目白押しだ。お盆休みの低調相場が予想され、日経平均予想レンジは2万200円~2万800円とするが世界経済は容赦なく動いている。波乱も有りだ。
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