日立、残された「上場4兄弟」はどこに向かうのか 売却か残留か、4つの子会社に「踏み絵」を迫る

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7月29日に発表した2020年3月期の第1四半期(4~6月)決算では、くしくも親と子の明暗がくっきりと浮かび上がった。

日立製作所の第1四半期の決算説明会資料を見ると、今回からあえて上場4子会社と、親会社である製作所の決算数値を分けて記載。最高財務責任者(CFO)の西山光秋執行役専務は「社会イノベーションのコアである(日立製作所が手がける)IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフまで5セクターの合計は増益だったが、上場子会社4社は市況影響が出て大きく減益となった」と総括した。

業績変動が激しい上場4子会社

実際、上場4子会社の第1四半期の調整後営業利益をみると、計測器や半導体装置、医用分析装置などを扱う日立ハイテクノロジーズが前年同期比13%減、建機大手の日立建機が同17%減、特殊鋼やネオジム磁石などを扱う日立金属が同65%減、電子・自動車部材や蓄電池が主力の日立化成が同36%減といずれもさんざんな成績だった。特に日立金属や日立化成は半導体やスマホ、自動車向けが減速した影響を大きく受けて後退した。

日立製作所全体の第1四半期決算は、調整後営業利益が前年同期比16%減の1243億円だった。そのうち、この4子会社の合計利益が34%減(前期は売却前の日立国際電気を含む)の497億円なのに対して、日立製作所が自ら手がける5セクター(IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフ)の合計利益は3%増の746億円と対照的だ。合計利益額でも前年同期から親と子で逆転した。

上場4子会社は景気が上向きのときは業績がよくて親を支える一方、景気が悪くなるとすぐに業績が落ち込むなど、変動が大きい。今の日立はこうした変動リスクを避けるために、社会インフラなど安定した事業に特化しようとしている。

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