韓国の若者が「確実で小さい幸せ」を求める理由 先端的なトレンドと古い慣習の「落差」
国として謝罪を求めるほどネガティブな感情を抱いているのに、日本のカルチャーを好きになることには抵抗がない。それどころかむしろ超好意的な若者も多い。そんな韓国の若者たちに違和感を抱く日本人もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は「政治的に嫌悪しているから、その国の文化も嫌い」とは限らないことが、彼らの声からわかります。
「韓国の若者の多くは日本が好きだし、行ってみたいと思っていますよ。政府間の関係がよくないことについては、『政治家がやることだから、国民が介入してもしょうがない』という感じです」(C君)
トレンドキーワードは「ビンテージ」
韓国の若者たちに「今はやっているもの」を聞くと、まず出てくるのが防弾少年団(BTS)です。ご存じのようにBTSは韓国国内だけでなく日本や全米でも大ブレイク中の男性グループ。全米ではアジア圏出身者として初めてビルボード200で1位を獲得し、大きな話題となりました。彼らが原爆Tシャツを着て問題になったことで彼らを知った日本人も多いかもしれません。
はやっている韓国ドラマとして複数から挙がったのが『スカイキャッスル』です。子どもをソウル大学の医学部に合格させるため、合格率100%をうたう入試コーディネーターに接触する富裕層の親たちの奮闘を描いたもの。韓国特有の超学歴社会や富裕層の家庭が余すところなく描かれています。
「有名な俳優たちが出演しているわけではありませんが、受験のために通う塾の問題など、自分たちにとってとても身近で切実な内容でした。同じ体験をしている若年層は多いはず」(B君)
一方、トレンドの傾向としては、服にしろカフェにしろビンテージ系、すなわち味のある年代もののスタイルがはやっている――と教えてくれたのが、Dさんです。
「江南(カンナム:ソウル市内の地区。富裕層が住む地域として知られている)の『アートモンスター』というカフェスタイルでビールを出す店が周囲ではやっています。古い町並みと建物をそのまま利用していてオシャレ」(Dさん)
インスタ映えするスポットは日本と同様に韓国でも人気で、私が訪れた益善洞(イクソンドン)というエリアは、古い民家の集まった集落全体がトレンドスポットと化し、民家をリノベーションしたカフェやファッションアイテムの店がひしめき合っていました。まさしく「ビンテージ」です。日本の若年層女子の間でも大変人気の観光スポットになっています。
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