70歳で人生が一変した料理研究家が達した悟り 過去の自分はすべて肯定し若いモンは認める

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だから、失敗してもクヨクヨしないことが大切だという考え方。失敗はあって当たり前だということだ。ちなみに著者は失敗した場合、もちろん反省はするけれども3日で忘れるようにしているそうだ。

なぜなら、やらないでいつまでもクヨクヨしていたら、失敗が怖くなって、何もできなくなり、前に進めないから。

失敗は成功のもと、とよく言われるけれど、料理をやっていたら、それがよくわかる。失敗したら、もうちょっとこうやってみよう、と考える。そうすると、前よりもうまくなる。でもちょっと妥協すると、また失敗だね。
ただ、失敗したら5回でも6回でもやり直したらいいんだよ。そうすると、うまくなっていく。楽しくなっていく。
(69ページより)

この主張は、誰かが失敗したら鬼の首を取ったかのように集団で攻撃する、現代の風潮に対するアンチテーゼであるとも解釈できそうだ(もちろん、本人にそんな気持ちはないだろうが)。

今の若いモンは、すごい!

もう1つ、年寄りがよく使う言葉で著者が大嫌いなのが「今どきの若いモンはなってない」というようなフレーズなのだという。自分も若いときには当時の年寄りから同じようなことを言われてきたのだから、そのとき、どう感じたのかを思い出してみるべきだと。

そればかりか、難しい時代を生きるいまの若い人のほうが、自分たちの若いころよりしっかりしていると言い切っている。

例えば、頭の切り替えが早い。何がなんでもしがみついて、こうじゃないといけない、なんてがんじがらめの考え方はない。職業でも、これをまっとうしていかないといけない、なんて硬直した考えはしないよね。ダメなものはダメ、と言って、パッと切り替える。これはすごいと思う。俺たちにはできなかったことだよ。(73ページより)

もちろん、そこにはいいことも悪いこともあるだろう。しかし、それは自分たちで責任を持てばいいだけのことで、年寄りがああだこうだと言うべきことではないというのだ。なぜなら、なにが正解だったかなど、未来までわからないのだから。むしろ、頭の切り替えの早さこそが重要だと主張するのだ。

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