新海監督「天気の子」で田端が聖地になる予感 特異な駅前地形がストーリーの起伏を生んだ

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もう1つの特徴は、武蔵野台地の東端に位置し、山手線で池袋駅方面から来ると、田端駅は下町低地の入り口にあたる点である。

乗降客が極端に少ない田端駅南口(編集部撮影)

天気の子は、雨が降り続ける日々の中、ストーリーが展開する。詳細は省くが、それには地形も重要な要素の1つとなってくる。

田端駅より都内西側に広がる武蔵野台地は小高い丘をはじめ凸凹に富んだ地形で、台地内には多数の坂道がある。

その一方、下町低地はほぼフラットである。標高で言えば、武蔵野台地内の池袋駅が約32m、田端駅の1つ手前の駒込駅が約18mなのに対し、田端駅の線路は標高約6mしかない。

田端駅「南口改札」からの眺め

田端駅はホームから跨線橋の階段を上った所に南口改札口があり、そこからさらに階段や坂道が続く。

田端駅南口は武蔵野台地の丘の中腹にある(編集部撮影)

正確に言えば、田端駅南口は武蔵野台地の丘の中腹にあたり、階段や坂を上った先が武蔵野台地の東端の丘の上となる。

そのため、南口改札付近は、眼下に山手線などの線路を目にしながら下町低地方面(東側)の眺めがいい。

田端駅からその先の上野駅まで、線路の東や北側、東京下町部分は、縄文時代の一時期などは海だった。映画のシーンで、田端駅南口から新幹線の高架方面を眺めたように、縄文人も、丘だった所から海を眺めたことだろう。

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