ポルシェやアウディが「SUVクーペ」投入の理由 人気の高いSUVカテゴリーで細分化が進む
最近になって、ドイツのプレミアムブランドがSUVクーペなるジャンルの新車種を相次いで送り出している。まず4月にはポルシェが「カイエンクーペ」を発表し、7月に入るとアウディが「Q8」をデビューさせた。
同じドイツのプレミアムブランドであるBMWは「X6」「X4」、メルセデス・ベンツは、「GLEクーペ」「GLCクーペ」をすでに販売しており、冒頭で挙げた2車種はこのうちX6とGLEクーペのライバルとなる。
この中でもっとも早く発表されたのはX6で、初代が2008年に登場している。しかしこれがSUVクーペのパイオニアではない。
いすゞ「ビークロス」の存在
筆者が記憶している限りでは、SUVクーペのルーツと言えるのはスズキが1995年に送り出した「X-90」と、いすゞ自動車が1997年に発表した「ビークロス」だ。
どちらも1993年の東京モーターショーに出展したコンセプトカーが好評だったことから市販化したもので、X-90は当時の「エスクード」、ビークロスは日本でも販売していたSUV「ビッグホーン」をベースに、個性的なボディを融合させた。
いすゞは現在日本ではトラックとバスのブランドとして知られるが、1993年までは「ジェミニ」や「ピアッツァ」などの乗用車、2002年以前はSUVをわが国で開発・生産・販売しており、海外向けでは現在も自社開発のSUVをラインナップしている。
ビークロスが発売に移された1997年の東京モーターショーには、本田技研工業(ホンダ)がやはりSUVクーペのコンセプトカーを展示。翌年「HR-V」として発売した。ただし3ドアだけでは販売台数が伸びず、1999年に早くも5ドアを追加。こちらが主力となった。
HR-Vは2006年に国内販売を終了。その後2010年の日産自動車「ジューク」、2013年のホンダ「ヴェゼル」、2016年のトヨタ自動車「C-HR」など、クーペ風なスタイリングを持つSUVは登場しているが、すべて5ドアのみとなっている。なおヴェゼルは欧米ではHR-Vの名前で販売している。
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