最少は片道4本、「新幹線駅」停車本数ランキング 時刻表を使って全国107駅を集計

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36位の熊谷と50位の小山の差も興味深い。東京から両駅とも3駅。所要時間は熊谷が38分で小山は42分。新幹線で都内まで通勤するのであれば同じような条件にもかかわらず、停車本数は熊谷の方が19本も多かった。両駅とも日中の本数は1時間に1本と差はないが、朝夕の本数で差がついた。

熊谷市、小山市とも、40歳未満でそれぞれの市に引っ越してきた人に対し、新幹線の定期代を補助する制度があり、新幹線通勤者が増えていると思われるのだが、熊谷市の「定期代半額補助(最大2万円)、2年間」という言葉のインパクトが、小山市の「定期代1万円補助、3年間」よりも強かったのだろうか。停車本数は意外と差のつく結果となった。

55位以降には、各新幹線のいちばん本数の少ない駅が登場。九州新幹線で本数が少ないのは新八代、新水俣、出水の3駅が46本で65位にランクイン。山陽新幹線は厚狭の43本で69位。上越新幹線は浦佐の34本の81位、北陸新幹線は安中榛名の24本で95位だった。

山形、秋田のミニ新幹線の駅が登場するのは82位以降だ。ミニ新幹線最多本数は山形の33本で82位。これは朝から晩まで上下線とも1時間に1本ほどの本数となる。

北海道新幹線で最も停車本数の多い新函館北斗は山形新幹線の赤湯(91位)、かみのやま温泉(同)に次ぐ93位。運行本数は寂しい数字だが、大都市札幌とつながれば大きく変わるだろう。

103位以下は2時間~2時間半ごとに1本の新幹線しかこない駅だ。103位は、東北新幹線のいわて沼宮内と、北海道新幹線の木古内で16本。105位は北海道新幹線の奥津軽いまべつと山形新幹線の高畠で14本。そして新幹線のすべての駅の中で停車本数が最少だったのは秋田新幹線の雫石で8本だった。

施設を持て余している駅もある

下位は東北、北海道新幹線の末端部や、山形、秋田のミニ新幹線の駅が並ぶという結果となった。山形、秋田新幹線の駅は在来線の駅と共用しており、普通列車も同じホームを使用しているので新幹線の本数が少なくても施設を無駄にしている感はないが、いわて沼宮内、奥津軽いまべつ、木古内はホームドアが設置された立派な新幹線の専用ホームを作ったうえでのこの本数なので、施設を持て余している感がある。北海道新幹線が札幌まで延長されても、この3駅に停車する本数が大幅に増えることは想像しがたい。

時刻表を見ると、盛岡~新函館北斗間を走る列車は、朝の下り3本と夜の上り3本(仙台~新函館北斗間、盛岡~新函館北斗間、新青森~新函館北斗間)以外は、すべて東京を発着とする列車となっている。このような東京直通の列車を減らして、東京発ののぞみ号に接続して岡山始発で西へ向かう8両編成のこだま号のように、盛岡~新青森・新函館北斗間で短い編成のシャトル便を設定したら、利用者増につながるのではないだろうか。秋田新幹線に使用されているE6系のようなコンパクトな車両でよいので、1時間に1本程度の本数を走らせれば便利に違いない。

せっかく新幹線の駅を建設したのだから、東京と直通する列車にこだわらず、停車駅をもっと活用する方法を考えていくべきだろう。

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